「作品のお部屋」の紹介文です。

 

記憶が完全ではないんです

 
−キャスト−
フォルシーニア : 天野由梨

−場面設定−
「電脳天使PCE」 2年後、貴也に告白された後
 


 

ようこそいらっしゃいました。

「作品のお部屋」は、電脳天使の作品を、
ひとつずつ、みなさんにご紹介するためのお部屋です。

でも、ごめんなさい。
本当は、そうして差し上げたいのですが……

実は私、過去のことを、思い出せないところがあるんです。
私はまだ、完全ではありませんから……


私が、ここに降り立った時…
私はフロッピーディスクに収められていたんです。

可愛い双子たちによって選ばれた、
貴也さんの手によって、そのディスクを再生されて、
元の姿を取り戻す…はずだったのですが……

貴也さんが……ディスクの再生中にリセットを押してしまったんです。

そのために、私は完全には再生されなくて……
私……なにも覚えていなかったんです。

しかも、ディスクに傷が付いてしまって、
すぐには元に戻ることが出来なくなってしまったんです。

ですから、まだ、私は完全ではないのです。


でもどうか、貴也さんを責めないであげてください。
決して貴也さんが悪いんじゃないんですよ。

私、ですか?
私はちっとも怒ってなんかいません。

確かに、貴也さんがリセットスイッチを押してしまったから、
記憶を戻せないままでいるのですが……

でも私は、むしろ感謝しているくらいなんです。
だって……


私の……「第三天使」のお役目を、ご存じですか?

「最後の審判」の時、
人類がベスティアであった時には、
地球を……人類を滅ぼすこと。

あんまりですよね……そんなお役目…

出来る事なら、逃げ出してしまいたい……
でも、決して拒否することを許されないお役目。
本当なら、一瞬たりとも忘れてはならないお役目だったんです。


でも、貴也さんがリセットをしたおかげで、
私は、一瞬だけ……ほんの一瞬だけ、
そのお役目を忘れることができたのです。

辛いお役目を忘れて、
目の前のひとりの人だけを守ること、
ただそれだけを考えていればよい「機会」を
私は与えていただいたんです。

何の「理由」もなく、ただひとりの人を「想う」ことを……


アクエリュースと接触して、
前世の記憶……私のお役目を思い出した時、
私、気づきました。
その気持ちが何なのかを……

それこそが……私の信じていた……「愛」


私、いままでちっとも分かっていなかったんです。
「愛する」……ということを。

前世…あの時、私が「愛だと信じていたもの」……それは、
お役目のせいで滅ぼされる人類への哀れみと
お役目によって滅ぼしてしまうことへの償い、
そのための「言い訳」、だったんです。

だって、私が人を愛してあげていれば、
「人類を滅ぼすのは、私の本意ではない」と、言い訳ができます。
私の気持ちに、逃げ道ができますもの。

「滅ぼしてしまうことに耐え切れないから、愛してあげよう……」
それが、あの時の私の「愛」……

お役目への怖れにとらわれていた私には、
そんな「愛」しか感じられなかったのです。


でも私は知ったのです。

貴也さんをお守りすることだけを考えていた時、
「なにも思い出さなくてもよい時間」の中で、

哀れみでもない…償いでもない…
何の理由もなく感じるその「想い」を…
私は貴也さんに感じたのです。

それが、きっと私の信じた本当の「愛」



貴也さん…
「私のしたこと」は、きっと正しかったんですよね。
あの時、私の守ろうとしたもの、
体を投げうってでも、信じようとしたものは
本当に本当に「素敵」なものだったんですから。


それを知った今……
私、少し恥ずかしいです……昔のこと。
きっと、「昔の私」は
信じてはいなかったんです…人間のことを。

「人間はいつかベスティアになってしまう」
だから、必ずお役目を果たさなくてはならない……
そう心のどこかで怖れていたんです。

ですから、私はお役目から目を背けて、
「自分ではない自分」にすべてを押し付けて、
私は何も知らないふりをしていたんです。

私…お役目から、逃げていたんです。


でも。
今は逃げたりはしません。
辛いお役目ですけれど、怖くはありません。

だって今は、本当に信じております……いいえ、知っておりますもの。
「人類は決してベスティアにはならない」。

すべての人間が、私の抱くこの「想い」を、
私と同じように、その胸に感じているのですから。


それを知ることができたのは、貴也さんのおかげ。

ですから、私は貴也さんを責めたりなんてしません。
私、本当に感謝しております。

そして……そばにいたい。
いつだって愛してあげたい……
私のその「想い」だけを、ただひとつの理由にして……


うふふ……

そういうわけですから、
私はまだ……まだ「このまま」でも構わないと思います。

ですから、ごめんなさいね。
これからご紹介する「作品リスト」も、完全なものではないんです。

今ある記憶は、アクエリュースと接触した時に、
少しだけ思い出したもの。
ですから、いくつか欠けているところがあるんです。
どうか、許してくださいね。

そして、もし、あなたがご存じのことがあったら、
どうか私に教えてくださいね。
そうしていただければ、
私の記憶が元通りに戻る時が、きっと来ますから。


ディスク、ですか?
もちろん、修復してもらっていますよ。
可愛い妹のリアが、直してくれているんです。
それを完全に直すことができれば、
私の記憶も完全に戻るのでしょうけれど…

でも、リアを急かすことなんて、私にはできませんもの…
あの子には……つらい思いをさせていますから……

ですから、みなさんも、祈ってくださいね。
いつの日か、すべてを思い出せますように。
そして、すべてを思い出したとしても、
いままでのことを、ちゃあんと慈しむことができますように……

 


 
−出典−
「電脳天使PC&PCE」 「デジタルアンジュSS」

 

 

リストの見方

表の中で、括弧に囲まれているものは、
確認の取れていないものなんです。

また、項目の意味で、分かりづらいところがあると思います。
それらは次のようになっているんですよ。

正式タイトル
略式タイトル
正式タイトルは、パッケージなどに使われるタイトルです。
ただ、それらの中には、いくつもの作品に
同じようなタイトルが使われているものがあって、
はっきりと区別できないものがあるんです。
それを補うため、略式タイトルを付けています。
分類
形態
分類は、ゲーム、マンガ、ドラマなどのジャンルを表します。
形態は、ソフト、雑誌、ラジオ、音楽CDなど、メディアを表します。
キャッチフレーズ
紹介
解説
キャッチフレーズは、広告やパッケージなどにあるキャッチフレーズです。
紹介は、パッケージや取扱説明書などに書かれている紹介文です。
解説では、私、フォルシーニアがその作品をご説明いたします。

 

 

おことわり

「電脳天使関連作品」については
まだすべての作品の情報を掲載できておりません。
所有していないものがまだいくつかあり、
また、所有していても、こちらの都合で
まだ掲載できていないものもあります。
準備が出来次第、掲載しますので、
しばらくお待ちくださいな。

「電脳天使関連作品」は、初めの頃は
管理者はほとんど所有しておりませんでした。
ですので、情報が少なかったのですが、
それらに関して、みなさまからさまざまな情報を
お寄せいただきました。ありがとうございます。
それらもあわせて掲載しておりますよ。
よろしかったら、みなさんもご協力くださいね。

 

「続初恋物語」についてですが、
電脳天使と、特にはっきりとした関係がある、という訳ではないこと、
そして他方で、資料が膨大すぎて簡略にご紹介できないこと、
などにより、
このWebページでは対象外とさせていただいております。
ごめんなさいね。

「続初恋物語」は、とても人気のある作品なので、
他のホームページに、詳しく紹介されております。
そちらをご覧くださいな。