「辞典のお部屋」第3.1版の紹介文だよっ。

 

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プレゼント?

 
−キャスト−
クレアリデル :  松下美由紀
フォルシーニア :  天野由梨

−場面設定−
「電脳天使PC&PCE」 クレアが降臨した後
 


 

フォル 「クレア姉様っ!」
クレア 「なーに? フォル?」
フォル 「今日はクレア姉様のお誕生日ですよねっ。」
クレア 「ああ、そうね。」
フォル 「? どうなさったんですか? なんだか嬉しそうじゃないみたい……」
クレア 「んー、もう飽きたわ。」
フォル 「えっと、何度目の……」
クレア 「考えなくてもいいのっ。」
フォル 「そ、そうですか? じゃあ、お祝いとかは、どうしましょう……」
クレア 「プレゼントだったら、もらうわよ?」
フォル 「んー、プレゼント代わりになるかどうか、分かりませんけれど……」
クレア 「なーに?」
フォル 「クレア姉様の名前の語源、教えてもらったんです!」
クレア 「え? 『create』+『delete』 じゃなかったのね?」
フォル 「はい。 『クレア』は『クレアドール』。 ‘造物主’という意味だそうですよ?」
クレア 「へーえ。 それで、‘新生’の意味なわけね。」
フォル 「そうなんです。」
クレア 「じゃあ『リデル』は?」
フォル 「『リデル』も見つけてありますよ? 『ア○ス』のモデルとなった少女、
   『ア○ス・リデル』なんです。」
クレア 「なるほどね。 それで『クレアリデル』なわけね。」
フォル 「はい。 やっと見つかりましたねっ!」
クレア 「そうね、ありがと、フォル。」
フォル 「はいっ!」
クレア 「……んー。 やけに嬉しそうね。」
フォル 「うふふ…」
クレア 「……ちょっと待って? 『ア○ス』……。 ひょっとして、見つかったの?」
フォル 「はい。 見つけました!」
クレア 「『フォスコフォーニア』?」
フォル 「ええ。 『少女へ○手紙』という本に、あったんです。」
クレア 「『ア○ス』の著者が、エリスに宛てた手紙、ね?」
フォル 「はい。 その中に私の名前の語源『フォスコフォーニア』が
   載っているんですよっ!」
クレア 「ふーん……ということは……」
フォル 「はい?」
クレア 「私は、‘ついで’ってわけね?」
フォル 「え?」
クレア 「『フォスコフォーニア』を捜していたら、『リデル』も見つけたんでしょう?」
フォル 「あ、あの……」
クレア 「まったく、もう… 管理者の考えそうなことね……
フォル 「そ、そんなことおっしゃらないでくださいな。」
クレア ぶつぶつ……
フォル 「あ、それに、『ヴァナント』の語源も分かったんですから。」
クレア 「また『ア○ス』?」
フォル 「いえ。 『星百科大辞典』、地人書館です。」
クレア 「また大袈裟なものを……。 で、何?」
フォル 「『蠍座シータ星』の名前だそうです。」
クレア 「ちょ、ちょっと、待ちなさい? あれは『サルガス』って言うのよ?
   『ヴァナント』じゃないわよ?」
フォル 「ペルシア語では、その星は『バナント』って言うんだそうですよ?」
クレア 「『バナント』? 『ヴァナント』じゃなくて?」
フォル 「ええ…。 その本にはそう書いてありましたけど。」
クレア 「怪しいわねえ。」
フォル 「間違いないと思うんですけど……。 確かに星の名前ですし。」
クレア 「発音の問題でしょ? ペルシア語だか何だか知らないけど、
   辞書を調べれば分かるんじゃないの?」
フォル 「……ご覧になります? ペルシア語……」
クレア 「! な、何これ?……」
フォル 「読めません……」
クレア 「まったく、しょうがないわねえ。 全然‘プレゼント’になってないじゃない。」
フォル 「あ、えっと、あのー…」
クレア 「仕方ないわね。 じゃあ、‘いつもの’でいいわよ?」
フォル 「いつもの……? あ、はい。」
SE コポコポコポ……
フォル 「はい、どうぞ。」
クレア 「あー、お茶がおいしい。」
フォル 「あのー、クレア姉様? ‘これ’だと、いつもと変わらないんですけど……」
クレア 「いいのよ。 これがいちばん幸せなんだから。」

 


 
−出典−
「電脳天使PC&PCE」

 

 

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