LalkaStory

エルフィリア

 

三門の研究室にやってくる。

三門
「もう、いいのか?」

「ああ、エルフィを孵化させてくれ。」

三門
「OK――…。」
三門
「なあ、エリィスのことなんだけど……」

「‘ここ’の上に、報告したのか?
 ――オレがエリィスデバイスを持っているって。」

三門
「いや――…。」

「そうか――…。」
「心配するなよ。
 ‘卵’の高速化が終わったら、おまえにやるよ。」

三門
「え――…。
 ……………
 …………すまん。」
――‘ADA’エルフィ誕生――
エルフィ
「あたし……。」

「さあ、行こう。エルフィ。」

エルフィ
「――…。
 ――はい。」

 

研究室にやってくる。

「……いまとなっては、懐かしい場所だな――…。」
研究室のパソコンからアクセスする。

エルフィ
「ん――…。」
エルフィリア
「――エルフィね?
 わたしは――…。」

エルフィ
「……エルフィリア。」
エルフィリア
「ごめんなさい。いくつも、つらい思いをさせてしまって――…。」

エルフィ
「あなたと――どちらが、つらいですか?」

エルフィリア
「ふふ――…。
 ……いっしょ、かな。」
エルフィ
「それなら、謝らなくていいです。
 あたしには――…。」

エルフィリア
「……はい。
 お母さま――…。」

エルフィ
「え。」

エルフィリア
「ふふ――…。」
エルフィリア
「あなたは、バックアップデータから誕生したのだもの。
 わたしよりも、あなたの方が世代がひとつ上――…。
 ――‘人’なら、一世代前の女性のことを‘母’と呼ぶでしょう?
 だから――…。」

エルフィ
「……フクザツ。
 あたしったら、いきなり未婚の母なんですね?」
エルフィリア
「宏也のこと――…。
 ――これから、よろしくお願いします。」

エルフィ
「あたしの、このボディ――。
 ――‘ADA’素体を使えば、
 あなただってこちらの世界で――…。」

エルフィリア
「……ダメ。
 いまのわたしは――。
 ――もうその‘器’には、収まりきらないもの。
 あなたが、宏也のそばにいてあげてくださいな。」

エルフィ
「エルフィリア――…。」
エルフィリア
「ふふ……あなた方のサポートは、おまかせ。
 この世界のネットワークは、もう
 わたしが掌握しているから――。
 ――どんなことでも、してあげられるわ。」
エルフィ
「それなのに――…。
 ……もう寄り添うことはできないのね。」

エルフィリア
「はい――…。」
「……どうした、エルフィ?
 何か――見つかったのか?」

エルフィリア
「エルフィ――。
 ――わたしと出会ったことは、
 内緒にしてくださいねっ。」

 

エルフィ
「………あの――…。
 もしも、もしもなんですが…」

「?」
エルフィ
「エルフィリアが見つからなくても……。
 …それでもエルフィリアを選びますか?」

「――ああ。当然、そのつもりだ。」

エルフィ
「……わかりました――…。
 私についてきてください。」

「え?」

 

図書館で、ネットに接続するエルフィ。

エルフィ
「――…。」

「エルフィリアだ――…。
 ついに、見つけた。」
「たのんだぞ、エルフィ。」

エルフィ
「はい――…。」
バトルライブ・エルフィリアタイプ
エルフィ
「――ライブは成功しました!」

エルフィリア
「――あなたの勝ちです!」

エルフィリアのデバイスを手に入れた。
「よくやった。よかったよ、エルフィ。」

エルフィ
「はい――。」

 

三門の研究室にやってくる。

三門
「ついに見つけたのか?」

「ああ。」

三門
「よし――…。」
――‘ADA’エルフィリア誕生――
「エルフィリア――…。
 ……おかえり、オレの天使。」

エルフィリア
「……宏也。
 ただいま――…。」

「……キレイだ。
 キミは、まさに――天使の中の天使だよ。」

エルフィリア
「宏也――…。
 ――あなたを愛しています。
 誰よりも、何よりも、どんなことよりも――…。」

 

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