用語語源辞典

『グラフィアス』&『ヴァナント』関連情報

「グラフィアス」と「ヴァナント」の語源に関して、
メール/掲示板にてお寄せいただいた情報を
掲載/抜粋しています。

ログの中の関係ない話題の部分は、
(省略) 」と表記して削除してあります。

 

[ Return ]



にぎやか☆ 投稿者:十文字 大  投稿日:12月24日(水)05時19分51秒

(省略)

○青蛙さん
>>ほんとに、古雅先生(原作者)は、どこからVanantを持ってきたんでしょうね〜
> やはり、出所は『星座手帖』かと思われます。
なるほどなるほど、そういうことなんですね。
この本なら、普通に図書館で見つかるかも?
調べることがたくさん増えましたんで、ちょくちょく調べて、また話題を振りたいと思います。
おかげで、しばらくは掲示板の話題に事欠かないですね(^-^)
気を抜くと、掲示板に閑古鳥が鳴くので(激汗)

>脱字がありましたので修正させていただきました。
どうも訂正ありがとうございます〜
転載部分(2a.htm)も早速差し替えておきました。



すばやめお返事 投稿者:空野ぽえ  投稿日:12月22日(月)23時06分35秒

青蛙さん:
>  実は、古代メソポタミアの天文に関する知識(天文学・占星術・暦・星座)がいつ頃ギリシア> にもたらされたのか判っていません。(いえ、判らないのは自分だけかもしれませんが)
本当に「いつ」かなんて、分らないのじゃないかという気がします。
あとは状況証拠の問題ではないかと思われます。…そのシステムが前
提としている星座や暦が、いつ頃の観測データを元にしているか?な
ど。文献を持つより先の時代の話になってしまっては、もう誰にも確
かなことは言えないものと思います。…もしいえるなら、それはとて
つもない幸運があったときだけかと(例えば、甲骨文のような)。

> 空野さんの正体
…えっと…。幸い、著名人じゃありません。まだ一介の学生です。
けども同業者が見ると、ピンポイントで的中しかねません(笑)。
いや、狭い業界なんですよ。



更新ご苦労さまです 投稿者:青蛙  投稿日:12月22日(月)05時04分32秒

十文字さん:
>レスは遅れても全然かまいませんよ〜 私もですし(^^;
>まったりと進んでいる掲示板ですので、そのあたりはご心配なく〜
そうですか、お気遣いいただきまして恐縮です。

>ほんとに、古雅先生(原作者)は、どこからVanantを持ってきたんでしょうね〜
 やはり、出所は『星座手帖』かと思われます。
 『星百科大事典』によっていれば、十文字さんが指摘しておられたように、「バナント」となるはずですから。

>ただ、「グラフィアス←カニ」説がしつこく書いてあります(汗)
>一応、アンジュ倶楽部にカニ説が書いてある以上は、掲載しとかないといけない、
>ということだけなので、あまり気にしないでください(汗)
 私は全然気にしていません。私が提示したものも語源説の一つに過ぎず、「グラフィアス←カニ」説を否定している(反証になっている)わけではありませんから。


空野さん:
> うわほんとだ私が出てくる(笑)・・・しかも何か、状況
>証拠を総動員すれば、現実世界の私が何者かわかりそう(笑)
 えっ、そうなんですか? 空野さんの正体は著名人?

> バビロニアの知識がギリシャに入るのは、もっと早い時期
>じゃないでしょうか?
 さすが空野さんです。的確かつ鋭いツッコミ……仰るとおりです。
迂闊(不確か)なことは書けませんね。
 実は、古代メソポタミアの天文に関する知識(天文学・占星術・暦・星座)がいつ頃ギリシアにもたらされたのか判っていません。(いえ、判らないのは自分だけかもしれませんが)

> そいえば。regulusは男性形ですね。女の子の名前じゃな
>いですねー。
 厳密にはそういうことになりますね。まあ、超新星のことを英語で supernova と言っているのと同じだということでご勘弁を。ラテン語だと性の一致で (stella) supra nova とならないとおかしいですから。


*先の書きこみ「ヴァナントもド・マイナーです(^^;」に脱字がありましたので修正させていただきました。





ちょっと遅れ気味お返事です。 投稿者:空野ぽえ  投稿日:12月18日(木)15時58分35秒

青蛙さん:
>「ヴァナント」
 うわほんとだ私が出てくる(笑)・・・しかも何か、状況
証拠を総動員すれば、現実世界の私が何者かわかりそう(笑)
わわ、うっかりしたこと(よけいに)言えなくなっちゃいま
した〜。
 以下、ちょっとコメントです。
 バビロニアの知識がギリシャに入るのは、もっと早い時期
じゃないでしょうか? ギリシャ(や、同時期に展開した文
明)は、早期にバビロニアから暦の知識を(天文観察の知識
を含む)、移入したものと思ってました。個々の星の呼び名
などは、アレクサンドロス時代に移入があったかもですけど
も・・・。でないと、ギリシャとインドの天文学との関係が
非常に辛くなってしまうと思います(ギリシャの仕上げたも
のが→インドに入る、その時間的余裕について)。これは天
文学史の問題ですね(解決済みの問題・・・のはず)。

> ラテン語なら rex は「レックス」ではなく「レークス」
> ですよね。
 eは、その通り、長いはずですね。でないとサンスクリット
と対応しない(はず)ですから。
 ギリシャ語ですけども、便利な教科書もありますし、名詞
形容詞を「なんとか」できる方なら、動詞もいけそうな気が
します。岩波全書「ギリシャ語入門」は、活用の一覧表など
充実してますし、巻末に参考書も書いてありますし、ありが
たいものだと思います(おそらく、もうお持ちですね)。辞書
も学習用としてなら、お手元のもので充分ではないでしょう
か。fightです!
 もしご不明の点ありましたら、私宛メールを頂ければ、多
少お手伝いできることもあるかと思います☆

十文字さん:
> 古雅先生は、どこからVanantを持ってきたんでしょうね〜
 それはほんとに謎ですね。「よくそんなものに気付けたなぁ」
というのが正直な感想です。
 そいえば。regulusは男性形ですね。女の子の名前じゃな
いですねー。そゆことで私の頭の中の貴也は、天使堕天使
のネーミングやラムの台詞から事情を推測してしまい、「リ
ガルード人なんて絶対に許さないっ!」と叫んでマリアを
泣かせ、挙げ句審判回避の手はないかとクレアさんと策略を
巡らそうとする・・・という、わりとトンでもない人になっ
てたり(^^;

(省略)



私もレス遅れ… 投稿者:十文字 大  投稿日:12月18日(木)04時25分2秒

○青蛙さん
レスは遅れても全然かまいませんよ〜 私もですし(^^;
まったりと進んでいる掲示板ですので、そのあたりはご心配なく〜

>Vanant はθ星単独の名前ではなく、ι・κ・λ・υなどとともに、
>シュメール名で Girtab といったもののペルシア名なのです。
>ですから、星名というより星座名なんですね。

ほほ〜そういうことだったんですか。
だからVanantはほとんどの資料に出てこないということなんですね、なるほど。
ほんとに、古雅先生(原作者)は、どこからVanantを持ってきたんでしょうね〜

いただいた情報は今週末に掲載させていただきますね。
本当にありがとうございます☆

(省略)


ヴァナントもド・マイナーです(^^; 投稿者:青蛙  投稿日:12月15日(月)10時51分37秒

十文字 大さん:
●Vanant
 「ヴァナント」で検索してみたところ
http://www.google.co.jp/search?sourceid=navclient&hl=ja&q=%83%94%83%40%83i%83%93%83g
そのほとんどが電脳天使クレア様のミドル・ネームでヒットしました。
星名関係では2件。うち一つはここの「電脳天使掲示板」の過去ログ中、空野さんの発言にありました。
・電脳天使掲示板 08_4 第8_4版過去ログ
 http://members.at.infoseek.co.jp/grandcrs/dabbs/dabbs08_4.htm
もう一つはこちら
・長井寿の「今月のほしごよみ」
 http://www.geocities.co.jp/Milkyway-Lynx/9516/nagai/nagai200308.html

 それでは、なぜに「ヴァナント」はそんなにド・マイナーなのか。それは、この名前を紹介している星座ガイドブックが、私の知る限りでは草下英明『星座手帖』しかないからです。この本は、以前、空野さんが「エルメス」(http://members.at.infoseek.co.jp/grandcrs/dabbs/dabbs08.htm)で投稿された
>星座の物語を(世界各地から)集めたもの
すなわち『星の神話伝説集』と同じ社会思想社の現代教養文庫から出ていたものです。(社会思想社が無くなってしまったのは本当に悲しひ)

 十文字さんが参考にされた『星百科大事典』の翻訳原著 "Burnham's Celestial Handbook", 3vols. の原著者の Robert Burnham Jr. も草下氏も同じ Richard H. Allen,"Star-Names and Their Meanings" が元ネタなんですが、両者ともに勘違いしています。Allen が説明しているところによれば、Vanant はθ星単独の名前ではなく、ι・κ・λ・υなどとともに、シュメール名で Girtab といったもののペルシア名なのです。ですから、星名というより星座名なんですね。θ星単独では、クレア様が
>ちょ、ちょっと、待ちなさい? あれは『サルガス』って言うのよ?
>『ヴァナント』じゃないわよ?
と仰っているとおりなんです。『星百科大事典』にも、さそり座θ星の項の冒頭には「星名サルガス。」とあったはずです。

 話は変わりますが、
>資料によって記述がまちまちで、どれが正しいのか分からなかった
 他に、いくつか星座の紹介をしておられるサイトの作成者の方々ともお話させていただいたのですが、皆さま同じ悩みを抱えているようですよ。そのため、そういった違いも全部包括して説明している書物が欲しいとも言ってました。私も同じ経験をしたものですから、今こうして自分で調べ直しているという次第です。

>実はそのほとんどが皆さんに調べてもらったものでして(汗)
 検索していて、ここの過去ログがヒットしたついでに拝見させていただきました。仰るとおりですね。これは十文字さんだけでなく、ここに集っている皆さまがすごいんだ。訂正させていただきます。

>特に、空野ぽえさんには、たいへんお世話になってます〜
 そうですねえ。私も、ギリシア語は名詞と形容詞くらいならなんとかなるのですが、動詞は全くお手上げです。(←これは、ギリシア語文を読めないと白状したようなものですね)

 本当に、レスが遅くなって申し訳ありません(また長文だし)。私も、Regulus や Vanant など、いろいろと再確認できて、収穫がありました。


れぐるす 投稿者:青蛙  投稿日:12月15日(月)10時49分9秒

レスが遅くなってしまい申し訳ありません。

空野ぽえ さん:
 星名としての Regulus に関しては、可能性としてならアラビア語源説もアリなわけです。私自身その可能性は極めて薄いと考えているのですが、一応、学説として存在しているので全く無視できないわけです。私もさすがに「大どんでんがえし」はないと思います。
 ところが、これとは別に、ラテン語 regulus(ないしその語根 reg-)がアラビア語源だと言われれば、そりゃ違うでしょと言うよりほかはありません。

 Regulus の由来は概ね空野さんの仰るとおりです。周知のとおり、アレクサンドロス(アレキサンダー)大王の東征によって、ギリシアにオリエントの知識が流入しました。おそらくこの時にでも、バビロニアの星の知識もギリシアにもたらされたのでしょう。
 この星―しし座アルファ星が「王の星」と呼ばれた理由は、黄道に極めて近いため、更に、紀元前2500年頃には夏至点に近かったからだと言われています。古くは、黄道に近く、かつ分至点に近い明るい星を重要視していました。季節を知る目安となったからでしょう。
 曰く、北のハストラング Hastorang、南のヴェナント Venant、東のタスケテル Tascheter、西のサテヴィス Satevis。なんだか東洋の四神(朱雀・玄武・青龍・白虎)みたいですね。

 それで、Regulus の語源を調べていて、2つの勘違いをしていたことが判明しました。ひとつは Regulus の語源であるギリシア語 Basiliskos を形容詞だと思い込んでいたこと、もうひとつは Regulus は数あるローマ名のヴァリエーションの一つだと思い込んでいたこと、です。

 前者に関しては、ギリシア語で「王」を意味する basileus の形容詞形は basiliskos ではなく basilikos でした。basiliskos は basileus の指小辞形で、まさしく Regulus の語源でした。

 後者に関しては、ローマにおける実情はまだわかりませんが、ルネサンス期において既に様々なヴァリエーションで呼ばれていたことがわかりました。それと同じに、「レグルスの命名者はコペルニクスである」という俗説も間違いであることも判明しました。

 ところで、"レグルス コペルニクス -水星 -文庫" で検索したところ
http://www.google.co.jp/search?as_q=%83%8C%83O%83%8B%83X+%83R%83y%83%8B%83j%83N%83X&num=100&hl=ja&inlang=ja&ie=Shift_JIS&btnG=Google+%8C%9F%8D%F5&as_epq=&as_oq=&as_eq=%90%85%90%AF+%95%B6%8C%C9&lr=&as_ft=i&as_filetype=&as_qdr=all&as_occt=any&as_dt=i&as_sitesearch=
 ラテン語なら rex は「レックス」ではなく「レークス」ですよね。



「ヴァナント」も、ド・マイナーかも……(^^; 投稿者:十文字 大  投稿日:12月10日(水)04時38分59秒

http://space.nasda.go.jp/db/utyu/seiza/seiza_j/kasiopeaza_j.html
そうそう、これです〜。まだ残ってたんですね。

> それで、確かに
>>ルクバー(ガンマ星)
>となっていますねえ。困ったもんだ。残念ながら、NASDA のページの星座に関する記述は「?」です。
>これは何も NASDA に限ったものではなく、日本で出版されている星座ガイドブック全般に言えることなんですけど。

ああっ、そうなんですか〜 私も以前いろいろ調べていたときに、
資料によって記述がまちまちで、どれが正しいのか分からなかったので、
じゃあ、NASDAだったら間違いないだろう!と思って、そのページから引き写したのです。
ふみゅ〜、ホントに困ったものです。

でも、青蛙さんのおかげで助かりました!
教えていただいた部分は、近いうちに修正させていただきます〜☆(今年中には、なんとか……)


>その出所をきっちりとフォローしておられる十文字さんの方がよほどすごいと思います。
あ、いやいや、とんでもないです。
実はそのほとんどが皆さんに調べてもらったものでして(汗)
以前この掲示板で、「語源を探してください〜」とお願いしたら、
皆さんが手伝ってくださって、あれだけ詳しく分かってきたのです。
特に、空野ぽえさんには、たいへんお世話になってます〜
私自身が見つけたのは4つくらいかな?(^^;;;


>●ティラス
>「テラス」だったら ラテン語 Tellus(大地)の英語読みからと言うこともできるんですけど。
>もっとも、「地球」という意味合いでは Terra が使われますが。

なるほど、「テラス」をモジって「ティラス」、というのはありえますね。
元の綴りは残念ながら分からないで困っているのですが、
堕天使ミリネールの類推から、やっぱ太陽系の惑星のような気はしてまして、
もしかしたら、木星や土星の衛星とかに無いかな、とも思って探したこともありましたが、
残念ながら、見つからず……
でも、Tellusは、有望な候補ですね。
あるいは、どこかの国の言葉で、ひょっとして「地球=ティラス」ってのがあるかもしれませんね。
ちょっと探してみます〜


お詫びの追加 投稿者:空野ぽえ  投稿日:12月 9日(火)23時58分9秒

>ヴェーダ語や古アイルランド語の対応
すいません。不親切な書き方で書いてしまいました。
ヴェーダ語のrAj-(Aは長母音)や、古アイルランド語にはrI,
属格単数rIg(Iは長母音のようで)との語形があるそうですが、
これらをご参照ください…というわけです。

…改めて見ると、ひどい日本語を書いてますねぇ…私は。


れぐるすと信憑性 投稿者:空野ぽえ  投稿日:12月 9日(火)23時43分10秒

青蛙さん:
>古代バビロニア
それだ…。
いえ、「語源」なる用語の用法の差異、ということがありました。私は
普段、比較言語学的に考えますので、語源というと印欧祖語まで遡るとっ、
という風にしか考えないのです。regulusは、勿論-lo-Suffixつきの形で
はありましょうが、語根は印欧祖語まで遡る(ヴェーダ語や古アイルラン
ド語の対応を参照)わけで、アラビア語に「語源」があるとはとんでもない
ことと思ってしまいます。(あるいはもしかしたら印欧祖語段階の人々が
「王」という単語をどこかから借用した可能性を考慮すべきかもしれない、
しかし借用先は「アラビア語」といってしまえるものか?いくらアラブ語
が古風な特徴を示すといっても…)
ですから、恐らく全体的な道筋はこうでしょう。
1.古代バビロニアで件の星を「王の星」を呼んだ。
2.ラテン人は1.の事情を知って(天文知識を移入して)、翻訳してregulus
と呼んだ。
件の星を「王の…」と呼称する「源」はオリエント方面にあり、ラテン語の
当該単語自体は正統なラテン語である…ということと思います。
いえまあ。辞書を流し眺めしますとこれがまず妥当な判断だと思えます。
あとはregulusの初出(だいぶ古い…はず)とアラビア語版(乃至広くセム語
一般の?)の名前の初出を比べて、どの見解が本当らしいか判断する、だけ
でしょうか。

…さすがにこれには大どんでん返しはないと思います…。regはだいぶ派生語
を作っているみたいですし…regulusを借用して、自分の言語として再解釈して
語根を再構成し、派生語を作り、しかもその二次的(なはずの)語根がたまたま
偶然、西の果て・東の果て(…まぁ、正確な言い方じゃないですが)の姉妹言語
の同じような意味の単語と同じ形を採った…と考えるのは…
…私は無茶だと思う…。


re:感謝感謝です〜 投稿者:青蛙  投稿日:12月 8日(月)04時02分7秒

十文字 大さん:
 ルクバーと言えば、こんなド・マイナーな星名を引っ張り出してきた「電脳天使」の制作者の方に脱帽です。

>昔、NASDAのHPで調べたらこうなってた
>あ、もう無いか(汗) JAXAに引き継がれたのかな?
 NASDA のページはまだあるみたいですよ。カシオペヤ座は↓
 http://space.nasda.go.jp/db/utyu/seiza/seiza_j/kasiopeaza_j.html
ですね。ここでは「カシオペア座」になっていますが、正しくは「カシオペヤ座」です。誰がそんなことを決めたのかと言うと、旧・文部省と日本天文学会です。NASDA も官なら、足並みを揃えて混乱を生じさせないようにしてほしいものです。
 それで、確かに
>ルクバー(ガンマ星)
となっていますねえ。困ったもんだ。残念ながら、NASDA のページの星座に関する記述は「?」です。これは何も NASDA に限ったものではなく、日本で出版されている星座ガイドブック全般に言えることなんですけど。
 実は、γ星を「ルクバー」としているものが他に無いわけではないんですよ。藤井旭『星座ガイドブック・秋冬編』の「カシオペヤ座」の星図で、やはりγ星に対して「ルクバル」と記入されていました。私はその出所をずいぶんと探しましたが見つかりませんでした。それがつい最近になって、野尻抱影の『新星座巡礼』という本が復刊されたのですが、そこにありました。どうも「ガンマ星:ルクバル」の出所はここだったようです。

>星座博士ですね〜!
>すっごい詳しいですね。いいなぁ、うらやましいです。
 そうですか? ここの「辞典のお部屋」を見るとギリシア語ありスラヴ語あり、果てはネイティヴ・アメリカンまで出てきます。本当に、こうした様々な言語から名前を渉猟している「電脳天使」の制作者もタダ者ではありませんが、その出所をきっちりとフォローしておられる十文字さんの方がよほどすごいと思います。

●ティラス
 残念ながら、星(恒星)の名前に該当するものは見当たりません。おそらく、恒星の名前が語源なのではないでしょう。ティラスは堕天使メルキュールのミドル・ネームに見られます。メルキュールの名前は他の要素がフランス語源ですから、ティラスもフランス語源ということはないでしょうか? 「テラス」だったら ラテン語 Tellus(大地)の英語読みからと言うこともできるんですけど。もっとも、「地球」という意味合いでは Terra が使われますが。いずれにせよ、元の綴りがわかるとよいのですが。
 ただ、同じ堕天使のミリネールのミドル・ネームがおそらく Uranus の英語読み「ユ(ア)ラナス」から来ていると思われ、更に彼女らのラスト・ネームがノストラダムスの『予言集』に出てくるサマロブラン Samarobryn のアナグラムだったりすることから、一種の言葉遊びのようなものかもしれませんね。

 あと、これは蛇足なのですが「グラフィアス」について。先般は安易にスペイン語であるかのように言ってしまいましたが、厳密には "Short Guide" にあるように「『爪』を意味するロマンス語をラテン語化したもの」です。現代の辞書、例えば手許にある小学館『西和中辞典』には見られません。

長文、失礼しました。


re:名前の歴史 投稿者:青蛙  投稿日:12月 8日(月)04時01分8秒

空野ぽえ さん:
>その「アラビアを経由」というところ
 そうなんですよね。全く「語族」を異にする言語を経由しているところがややこしい。
でも、いい言葉の勉強をさせてもらっています。印欧語にもアラビア語にも「語根」という共通する概念があるのですが、システムがまるで違っているところなんか。ちょっと一口には説明できないんですけど。
 たとえば、ここにあるものとして、sa'd の複数形が su'u:d だとの類。普通こういう場合、印欧語では英語でもラテン語でもギリシア語でも語尾変化で表現しますが、アラビア語では語根はそのままで(この場合は s_'_d が語根)、母音を変化させます。ちょうど、英語の foot の複数形が feet であるのと同じようなものですね。

>「造語法には説明がつけられそうだ」と思ってしまったのが躓きの石でした。
 私もそういう経験はたくさんさせていただきました。ですから、
>のけぞるよーな驚きに見舞われたり
なんてしょっちゅうでしたね。もう、躓いてコケてばっかり。

●Regulus
 「某印刷物」がどれを指しているのかわかりませんが、日本の文献では研究社『新英和大辞典』(第5版)が堂々とアラビア語源としています。例の、Kunitzsch "Arabische Starnnamen" で確認してみたんですが、そういう学説もあることは確かです。ですから「可能性がある」と言うことはできるわけです。空野さんの後輩さん、なかなかのものですよ。
 まあ、問題は信憑性ですよね。アラビア語源説では語源が rijl al-Asad(獅子の足)とされているのですが、α星では位置が違います(α星は獅子の心臓に当たります)。これでは説得力が無いですよね。端的に言ってしまえばコジツケってことですから。
 一方のラテン語源説には根拠があります。この星はそれこそ古代バビロニアの時代から「王の星」と呼ばれてきたのですから。(そう言えば、「レグルス」は電脳天使エインデ ベルのラスト・ネームになっていましたね)

 先に「多くの天文学者がそれに引っかかっていた」と申し上げましたが、その実例としては7331さんの
・星の停車場(一般の解説本などにない星座のお話)
 http://www4.airnet.ne.jp/mira/station/argo.html(とも座・りゅうこつ座・らしんばん座・ほ座

 http://www4.airnet.ne.jp/mira/station/lib.html(てんびん座)
をご覧になってください。また、星名をめぐるギョーカイの混乱ぶりについてはSF作家・山本弘さんによる
・奇々怪々のベテルギウス
 http://homepage3.nifty.com/hirorin/yanagida97.htm
をご覧ください。



感謝感謝です〜 投稿者:十文字 大  投稿日:12月 4日(木)05時27分5秒

>青蛙さん
細かいところまでチェックしていただいてありがとうございます!
こういうのは、一度掲載しちゃうと再チェックすることが無いものですから、
とても助かります〜

>みずがめ座α星に Ruchbah(ルクバー)という名前はあります。
おお、そうですか、よかった〜 ほっとしました。

>とありますが、「ガンマ星」は「デルタ星」ですね。
ありゃ、そうでしたか。
昔、NASDAのHPで調べたらこうなってたんですが、NASDAに文句言わなきゃ……
あ、もう無いか(汗) JAXAに引き継がれたのかな?


>星座オタク冥利に尽きるというものです。
星座博士ですね〜!
すっごい詳しいですね。いいなぁ、うらやましいです。
せっかくですので、ひとつ質問していいでしょうか?
「ティラス」っていう名前の星って、どこかにありますでしょうか?
コレが「電脳天使」語源調査の最後の砦なのです〜
「ティラス」の語源っぽい星がありましたらぜひお教えくださいませ。


名前の歴史 投稿者:空野ぽえ  投稿日:12月 2日(火)20時13分43秒

青蛙さん:
餅は餅屋。ですねー。そう、その「アラビアを経由」というところが
私にはなんとも手の出せないところでして。いやラテン語も半期しか受
けてませんからどうにも、ですが。
graphiasについては、「造語法には説明がつけられそうだ」と思って
しまったのが躓きの石でした。そりゃあ…新造は難しかったでしょうねぇ…。

> 一等星級
例えば、regulusでしょうか。
いえちょっと、苦い思い出があるんですよ…。私が「どこをどー見ても
ラテン語以外の何物だ」と主張するのにたいして、後輩が、(某印刷物に
「アラビア語」だと書いてあるからには)「アラビア語の可能性がある」
という意見を変えなかった…という。
…いや、どう悪くても翻訳でしょう。語根もちゃんとした語ですし。

> 引っかかったり
…そういう新しい時代は、私、とっても苦手ですー(泣)。

>冥利に
お気持ち、私もわかります。
でも、…時々、のけぞるよーな驚きに見舞われたりしませんか?

Kunitzschの本ですが、図書館で探してみることにします。
貴重な情報をありがとうございます!


星の名前 投稿者:青蛙  投稿日:12月 2日(火)12時45分12秒

 十文字 大さん、空野ぽえさん、早速のレスをありがとうございました。お役に立てたようで幸いです。星座オタク冥利に尽きるというものです。

空野ぽえさん:
 星の名前(現在、星座ガイドブック類に見られる、いわゆる「固有名」と呼ばれているもの)は、1等星級の特に明るいものを除いては、その多くがアラビア語を介して伝わったものなので、ギリシア語やラテン語のレキシコンをひっくり返しただけでは埒があかないことがママあります。しかも、翻訳・書写の過程で誤訳・誤写・勝手な語の置き換えなどが行われているのが悩みのタネで、多くの天文学者がそれに引っかかっていたりします。もっとも、その一筋縄ではいかないところが、語源探求を行う上での楽しみでもあるのですが。

十文字 大さん:
 十文字さんのページにある「電脳天使」なるものは、実は初耳だったりします。確か、「初恋物語」は題名だけコンシュマー・ゲームとして見かけたことがありましたが。いずれにせよ、ファンタジーの分野でも実在の星の名前が採用されるようになったのは、一星座ファンとしても喜ばしい限りです。ネット検索したところ、カード・ゲームの「アクエリアン・エイジ」にも幾つか星の名前が出てきているようですし。

>ξ星のほうが、爪の位置にありますね。
 ξ星にあるのは「ルネサンス期において恣意的に」移動させられた結果です。現在も使われている天秤座は、占星術を整備する上でギリシア時代に新設(より厳密には復活)されたものなんです。ですから、本来「グラフィアス」と呼ばれていたものは、天秤座そのものか、そこの含まれる星、たとえばα星 Zubenelgenubi ズベネルゲヌビ(南の爪)・β星 Zubeneschemali ズベネッシャマリ(北の爪)と見るべきです。

>Short Guide . . .
 詳しい書誌を掲げておきます。
 Paul Kunitzsch, Tim Smart,"Short Guide to Modern Star Names and Their Derivations", Otto Harrassowitz, Wiesbaden, Germany, 1986 (ISBN 3-447-02580-8)
 私の場合はまだ比較的容易に入手できたのですが、現在ではちょっと難しいかも。なおこの本、A5判50ページそこそこでペーパー・バックのくせに、5000円もしやがるベラボーなボッタクリ本だったりします。
 それからこの本は "Short Guide" とあるように
Paul Kunitzsch, "Arabische Strennamen in Europa", Otto Harrassowitz, Wiesbaden, Germany, 1959
のダイジェスト版です。同書については東海大学・春田晴郎さんのページ
http://www.hum.u-tokai.ac.jp/~haruta/star/strnote1.html
を参照してください。

 「天使堕天使大辞典」からひとつだけ。
●ルクバァ
>……っていうか『星百科大辞典』(地人書館)でしか
>この‘別名’を見たことがないんですよね……
とありますが、みずがめ座α星に Ruchbah(ルクバー)という名前はあります。ただし、この名前は本来〈いて座α星〉につけられたものです(現在は Rukbat ルクバトという形が一般的)。それが間違って〈みずがめ座α星〉につけられてしまったものと思われます。αSgr とαAqr の Sg- と Aq- を取り違えたというところではないでしょうか。こういうことは、このギョーカイではよくあることです。

それから
>たぶん「カシオペア座ガンマ星 ルクバー Ruchbah」と
>同じ綴りだと思うのでですが……
とありますが、「ガンマ星」は「デルタ星」ですね。



感謝です! 投稿者:十文字 大  投稿日:12月 1日(月)03時48分39秒

>青蛙さん
おお〜、すばらしい!
すっごい情報をありがとうございます

グラフィアスの語源は、スペイン語で「爪」ですか〜
たしかに http://www.lindahall.org/dsu/bayer/map70.html を見ると
ξ星のほうが、爪の位置にありますね。
これで、グラフィアス語源については完全解決ですね〜

>「Short Guide to Modern Star Names and Their Derivations」
他にもいろいろなことが載ってそうな本ですね。
ちょっと読んでみたいかも。


お見事! 投稿者:空野ぽえ  投稿日:11月30日(日)18時26分18秒

>青蛙さま
お見事です。いやー。私は古ギリシャ語だけで説明しようと
Schwyzerをひっくり返しましたが…なるほど、そりゃあ古い
文献に在証例はないようですし、もしこの語形を作れるとし
たら一体いつの誰だろうと疑問に思っていたんです。

>爪
むー。するとやっぱり語根は(gr.語形で挙げれば)grapho
ですかー。…Lat.語はGr.からの借用でしょうねぇ。


グラフィアス 投稿者:青蛙  投稿日:11月30日(日)07時31分51秒

 十文字 大さん、皆さま、お初にお目にかかります。通りすがりの「青蛙」と申します。「用語語源辞典」を拝見いたしましたものですから投稿させていただきます。「グラフィアス」以外は参考にならないでしょうけど。

●グラフィアス
 Paul Kunitzsch, Tim Smart,"Short Guide to Modern Star Names and Their Derivations", p.52-53 から拙訳。
 「中世において(古スペイン語を介してアラビア語から)ラテン語に翻訳されたプトレマイオスの『テトラビブロス』(*1)で使われていた「爪」を意味するロマンス語の[複数]対格形をラテン語化したもの。『テトラビブロス』における記述によれば天秤座(特に説明せずとも、古くは蠍座の「爪」とする習わしであった)の星々に対するものであるはずだったが、ルネサンス期において恣意的に〈さそり座ξ星〉に当てられてしまった(*2)。それが現代になって〈さそり座β星〉に移ったものである。("Graffia" が正しい単数・主格形と思われる)」

(訳者注)
*1 2世紀アレキサンドリアの天文学者C・プトレマイオスが著わした占星術の教科書。
*2 この恣意的な移動を行ったのは全天星図『ウラノメトリア』の作者ヨハン・バイエルである。
  (http://www.lindahall.org/dsu/bayer/bayer69.html)の「ξ」項を参照。(右上の larger view)でご覧ください。
 なお訳文中、( )は著者による補足、[ ]は訳者による補足。

 どうも、スペイン語で「爪」を意味しているようですね。(http://userhome.brooklyn.cuny.edu/bonaffini/DP/pierro.htm を参照。"Graffia","claw" がハイライトされている http://www.google.co.jp/search?q=cache:islui5i5gFQJ:userhome.brooklyn.cuny.edu/bonaffini/DP/pierro.htm+Graffia+claw&hl=ja&ie=UTF-8&inlang=ja の方がわかりやすいです)



●ケイゼル
 Keyzer ならオランダ語人名として見られます。

●グレイスティング
 ひょっとしてスティングレイ(stingray:アカエイ)をひっくり返したもの?

●ヴァレドゥープ
 〜ドゥープとあるのですからスラヴ語源?

  



更新など 投稿者:十文字 大  投稿日: 6月 1日(日)15時00分52秒

(省略)

>「vanant」
わーい、ありがとうございます〜
女性形にすると、メルがスネてしまいそうなので(^^)このままってことで。

ということで、ついに天使四姉妹のアルファベット表記が〜!

 Foltjunia Sadalsuud Ruchbah
 Crealidelle Vanant Shaula
 Eindebelle Denebola Regulus
 Leamuroda Alcyone Hyades

こんな感じでよろしいんじゃないでしょうか?


綴り報告。 投稿者:空野ぽえ  投稿日: 5月30日(金)23時35分53秒

「ヴァナント」ですが。そのまんまvanant-です。nには下点がついた方が
いいかも知れません。-をつけてるのは、「活用しますっ」という意味です
ので、あまりお気になさらず(「クレアさまは女性だから女性形に活用させ
るべきだ!」という意見は却下しようと思います。面倒が増えます。ご自身
そう名乗っているので、これでいいですよね? …ね?)。
綴りと、意味自体はこれでいいと思います。
中期イラン語の状況については…聞かないでください(泣)

いずれかの恒星を指したもののようです。蠍座の星に同定する、その元情
報までは分かりかねますが…。


いろいろ 投稿者:十文字 大  投稿日: 5月29日(木)03時40分36秒

(省略)

>「ヴァナント」
おお、ついに最後の難関?のヴァナントが解明されましたか!さすがは空野ぽえさん☆
もしヴァナントのアルファベット綴りがあるなら、教えてもらえませんでしょうか?
そうすれば、4天使の名前をすべてアルファベットで書けるようになります〜

(省略)


…おちこみもーど 投稿者:空野ぽえ  投稿日: 5月25日(日)18時10分57秒

SPS、見に行きたいと思います。
ではちょっと落ち込みの原因をご報告。
先日「ヴァナント」の語源/意味に気付くところがありました。
…語源的には動詞「打ち勝つ」の分詞形ですね。きっと。新ア
ヴェスタ以来の単語のようです。偶然辞書開いて気付きました。
あああなんで今の今まで気付かずにいられたものやら私ったら!
…ペルシア語といわれて、「へーそうかそんな単語もあるのかー」
と納得してしまってました。…そりゃそうだ、「掴む」「殺す」
は由緒正しい単語が現代語まで生き残ってる雰囲気ですよー(泣)。
こんな基礎的語彙がそんな簡単に置き換わるわけないですよねー
(大泣)。…ペルシャ語も勉強しないとといけないんだろうか、
私…。
ということで、個人的には(自分の勘の悪さに)打ちのめされま
したが。久しぶりにちょっとご報告です。



あれこれ。 投稿者:空野ぽえ  投稿日: 8月23日(金)18時27分01秒

肩凝りがひどくて頭の調子がよくないです。
手元のDeut.-Gr. をひくとGreif→grups(m.).といい、大L.&S.もgrupsの訳語に
griffinをあてています。grupsはグリフォンでよいようです。「曲がった」はgrupos
のようです――辞書的には。ここはこれ以上は考えない事にしまして。
 さて、この語からgraphiasは、どうも納得いかないのです。1. 語根の母音がuからa
に変わるのはなぜか。2. Gr. grupsのGen.は-pos、つまり語幹はgrup-ですが、p>f
はどういう状況で起こったのか(これはph>fについても同様。但しOxford Latin
Dictionaryを引くと、graphice, Adv. Sts. written grafice. 1. (colloq.) perfectly, ... 2. In the manner of a painter. とあり、これからph>fはあっ
たらしいと推測)。Lat.形はgryps、ここからそこまで変化したら、もはやそれは「
ラテン語」とは言えないのではないか、など。
手元の(古い)某社の英和辞書によれば、Eng. griffin, ME. giffon, OF. grifoun(F. griffon), L. gryphus, gryps, Gk. grups云々。但し手元の羅和辞書ではLat.
gryphusは見当たらず、grypus「鉤鼻の人」がそれにあたるかと思われます。OF.で-f-
が見られるらしいところから、もしかph(及びp?)>fの変化はロマンス諸語の問題
なのではと思うのです(あてずっぽう)。どうでしょう? 私はラテン系はさっぱりで。
 ではでは、疲れたので今回はこれでさようならですー。



PC-E版再Play 投稿者:栗田 光暁  投稿日: 8月18日(日)23時28分33秒

(省略)

>グラフィアス

横レスですが、ネット検索で意味調べてみました。

grups(ギリシャ語) or gryps(ラテン語):曲がったくちばし



続グラフィアス 投稿者:本多  投稿日: 8月17日(土)06時26分44秒

考え方としては
グラフィアス>グリフィス>grups
という感じです。

ラテン語に関しては
活用形なんて臨機応変だと思いますので(笑)
完全に無視していますが
語彙的には許容範囲内のはずです。

ちなみに意味は
モンスターの「グリフォン」
などを連想していただければ判りやすいかと。


レス 投稿者:空野ぽえ  投稿日: 8月16日(金)16時10分28秒

>人生
 例えば”グラフィアス”の語源分析をするためにギリシャ語を学んだとか(笑)。
 いえ,ほんとは哲学を専攻しようかと思ってなんですが。でも時々調査したり考えたりしてました。いえまぁ。
…ラテン語もしっかりやっておけばよかったですねぇ…。

☆本田さん
 翼があるのは鷲をモデルにしたためかと。さしあたり語形だけを問題にすればああなるのではないかと思います。

☆十文字さん
 はい,了解です。精密に詰められれば,そのときにはまたお知らせしたいと思います☆



>グラフィアス 投稿者:本多  投稿日: 8月14日(水)23時39分55秒

私は「gryps」が語源かと思っていたんですけれど。
だって翼あったし・・・

(省略)



私信込み(泣) 投稿者:空野ぽえ  投稿日: 8月10日(土)14時49分51秒

 ええもう,いくら時間があっても足りません(泣)。今日明日にはお送りいたします
のでどうかよろしくお願いしますYOUKI(DC)さん。

 さて調査不十分な段階ではありますが,グラフィアスの語源に関してご報告を。…
そーでもしないと今の到達点を忘れるかも知れないですし。
 Gr. grapsaios, 男性名詞は確かに「蟹」の意味です。しかしここからgraffiasへは,
だいぶ苦労せねばなりません。…無茶だと思います。
こうじゃないかと思うんですが: Gr. grapho(ぐらぽー)「書く」から派生して
*graphias,そこから(ラテン語の表記の方式の違いによって?)綴りを違えて
*graffiasかと思います。Liddell&Scott(大辞書)にも見当たらない語ですが,おそらく
意味は「書記」「記録者」「絵描き」くらいかと考えます。造語法はこれでいいのか?
ラテン語の表記はどういう条件でこうなるのか?など,自信はそれほどありませんが。
 あるいはGr. graphiaの単数属格でもこの形は得られますけど,いまひとつ意味に
潤いを欠きます(←おい)。
 参考文献は…長くなるのでぱすです。…十文字さんには検証可能なように情報を
送らねばならないような気がとてもしますが…。


 

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