第9話 : 竜の目
シャヌレット「・・・先ほどは、心配いたしましたのよ」
聖星殿の外に出ると、さっきのことを思い出したのか、シャヌレットが気遣わしげな視線をアイネスに向けて来た。
フリッカ「・・・アイネス様!?どうかなされたのですか・・・?」
ジエア『ねえねえ、巫女さまにイジワルされたの・・・そうなの?』
それを受けて、フリッカとジエアも心配そうにアイネスを見る。
アイネス「違うわよ、ジエア・・・。いろいろとね・・・驚いてしまったの」
アイネスは苦笑しながらそれに応えた。
けれど具体的には何も話さなかった。
まだアイネスにもちゃんと説明できるほど、考えがまとまっていなかったからだ。
フリッカ「いつか・・・何をお聞きしたのか、あたしにも教えて下さいね」
そんなアイネスの想いが分かったのか、フリッカはそれ以上何も聞こうとはしなかった。
アイネス「ところで、司祭様は、巫女さまが谷の族長に託されたことの内容、ご存じありませんか?
いまのガールドリアには、そのことが伝承されていないのです」
シャヌレット「わたくしは、その時にはおりませんでしたからね・・・確か、何かを処分することを託されたはずですけれど・・・」
シャヌレットはそこで一旦口を閉ざすと、考え出した。
シャヌレット「ごめんなさいね・・・思い出せないわ。星間戦争の終結で、不必要になった・・・何かのはずだけれど」
アイネス「そうですか・・・」
シャヌレット「ごめんなさいね。お役に立てなくて」
アイネス「いえ、ありがとうございました。それでは私たちそろそろ行きますね」
シャヌレット「はい。皆様に・・・スヴェティ様のご加護がございますように」
こうしてシャヌレットに見送られながら一行はジランドルのコクピットまで戻ってきた。
ジエア『でも気になるなぁ・・・。巫女様が託した物って何なんだろうね』
アイネス「機械仕掛けさんは、私にガールドリアの先人たちの歴史は教えてくれなかったわ。
その頃のガールドリアは、まだバイヤデルカという星名だったということぐらいだものね」
フリッカ「あたしが、もっと歴史を勉強していれば、ガールドリアの先人が巫女様に何を託されたか、分かっていたかも知れませんね」
アイネス「そんなに気にしないでフリッカ。
でも、義兄様だったら、知っていらっしゃったかも。
お父様から直接‘世継ぎの証’を授かった時に、ガールドリアの古い伝承を聞いているかも知れないから」
聖地エヌベルユを出発した一行は、アイネスのPsi能力を試すため、ジランドル−Vを一旦、宇宙空間で停滞させた。
そして、その場所として、アイネスが1番リラックスできるラウンジに集まった。
フリッカ「・・・やはり、恐いですか?」
少し不安そうにしているアイネスにフリッカが尋ねる。
アイネス「ん・・・少しね」
アイネスは自分の腕で身体を抱くようにしながら、薄く笑った。
フリッカ「だったら、おやめになってください・・・!無理に試すことなど、ありませんわ!
・・・永霧の都の先見師さまが、おっしゃいました。‘渡り星’と出会えと・・・!
あたしたちは、‘渡り星’と出会い、そしてジエアが‘力’を得ることができました・・・それで十分なはずです。
アイネス様までが、危険を冒して‘力’を得る必要があるのでしょうか?」
フリッカは興奮気味にアイネスを諭した。
アイネス「・・・私はね、フリッカ。私は・・・必要があると思うの。
・・・たとえ、‘力’を得た瞬間に、それを制御できずに破滅してしまったとしても」
しかしアイネスはそれを聞き入れず、逆に微笑みながら諭し返した。
ジエア『そんなに心配しなくても大丈夫じゃない。ボクが‘力’を得た時は・・・頭の中がすっきりしただけだったし。
それに巫女様は、アイネスが本当に‘呪付’したバロッキーを必要としているのか試すために、
‘力’を制御できないかも知れないなんて脅かしたんじゃないかな?』
フリッカ「・・・あたしは、見た事がありますよ。Psi能力を制御できなくなって、自我崩壊した姿を・・・資料用のアニメ映画でしたけれど」
ジエア『ところで、どうやったら発現するの?このまま待っているだけでいいの?』
アイネス「それはテラスへ向かう途中で、巫女様に教えていただいたわ。
‘アフィプニゾ’
・・・まずこの呪文を唱えて、その後に行いたい事を続けて唱える。
そして私の中に素質があれば、それでPsi能力が発現するはずだわ」
ジエア『じゃあ、アイネスはまだPsi能力が発現していないんだね』
アイネス(私に・・・ちっとも潜在的な‘力’が、素質がなかったらどうしましょう。
でも発現したとしても、‘プレコグニション’はイヤだわ。巫女様のように、未来など知りたくないもの。
それに私が、もし、‘力’を制御できなければ・・・それが恐い)
ジエア『もし、恐いのであれば、いま試す必要ないんじゃないの?』
不安そうな顔で黙ってしまったアイネスにジエアが優しく語り掛けた。
アイネス「ありがとう、ジエア。でも・・・・・・」
アイネスはそんなジエアの気遣いが嬉しくて微笑んだ。
そしてアイネスは改めて自分の手に付けてあるバロッキーを見た。
アイネス(いまは、このバロッキーの‘呪付’効果は現れていないわ・・・)
そして瞳を閉じる。
アイネス「フリッカ・・・ジエア、私は呪文を唱えてみます!」
そして目を開けると同時にアイネスは皆の前でそう宣言した。
フリッカ「わかりました・・・もうあたしは何も言いません。でも・・・どんなことが起ころうと、あたしはアイネス様と共にありますからね」
アイネス「ありがとう、フリッカ」
ジエア『アイネスなら大丈夫だよ、きっと・・・』
アイネス「ありがとう、ジエア」
アイネスは2人に見守られながら静かに目を閉じた。
アイネス「Αφυπνιζω・・・!」
そして力強く唱えた後、
アイネス(私の・・・義兄様は、どこにいらっしゃるの!?)
今度は強く念じた。
すると、アイネスの閉じていて何も見えないはずの目に宇宙空間と星々の煌きが見えた。
アイネス(これは・・・・・・。私に・・・Psi能力が発現したのだわ!)
アイネスはそのことに歓喜と感動と安堵を同時に味わった。
アイネス(これが‘クレヴォヤンス’なのかしら?)
しかし喜ぶのも束の間、すぐに目の前の光景に意識を移した。
アイネス(これは・・・ψ太陽系だわ?ψ太陽系に義兄様が・・・。
・・・義兄様は、義兄様はどこ・・・その姿を!)
アイネスはクリンドの姿を求め、さらに強く念じた。
すると目の前にクリンドの姿が浮かび上がった。
アイネス(いらっしゃった!!
・・・義兄様を、とうとう発見したわ!)
クリンドの姿が見れた事でアイネスは歓喜に打ち震えたが、すぐにそれは驚愕へと変った。
クリンドは手を手錠で繋がれており、どこかへと連行されている途中のようだった。
そして何より驚いたのは、クリンドの側にはロゴナの側近であるディアブロの姿があったからだ。
アイネス(ロゴナに・・・義兄様は、ロゴナにいらっしゃったの?)
もっとよく見ようと目をこらすと、目の奥で鋭い痛みが走った。
アイネス(・・・痛っ、意識が集中できないわ!)
すると今まで見えていた光景が消え、また闇が戻ってきた。
アイネス(義兄様・・・義兄様をもう1度!)
アイネスはクリンドの姿を求めて集中しようとした。
アイネス「・・・いっ痛い!瞳の奥が、あっ・・・熱い!!」
しかし今度は熱と痛みに阻まれてそれは叶わなかった。
フリッカ「アイネス様・・・アイネス様、大丈夫ですか!?」
フリッカは突然痛みを訴え出したアイネスを慌てて揺り動かした。
アイネスが目を開けると、そこには不安そうな顔をしているジエアとフリッカの姿があった。
ジエア『アイネス、アイネス・・・大丈夫!?』
アイネス「えぇ・・・もう、平気」
目を開けて現実に意識を戻すと、目の痛みは消えていた。
ただ不思議な違和感だけはしばらく残ってはいたが、それもすぐに気にならなくなった。
アイネス「それよりも、私・・・義兄様を発見したわ!」
ジエア『ええっ!ホントに?」
フリッカ「クリンド様は、いったいどこに?」
アイネス「義兄様は・・・」
機械仕掛けさん [―アイネス!緊急事態だ、ロゴナの防衛々星が移動を開始した!]
アイネスが2人にさっき見た事を説明しようとした時、ラウンジに、ミウィからの通信が届いた。
ジランドルにはミウィにいる球たちと同様に、機械仕掛けさんの端末が組み込まれており、、
外星域での座標を確定して、航行システムをサポートするためにダイレクトで交信が可能だからだ。
アイネス「・・・なんですって、バーザが!?」
フリッカ「アイネス様、コクピットへ・・・!」
アイネスは慌ててコクピットへ駆け出そうとした。
ジエア『アイネス、コスモスーツに着替えた方がいいと思うよ』
しかしジエアの言葉に足を止め、
アイネス「・・・そうね、ジエア。ありがとう・・・」
そして手早く着替えを始めた。
着替えを終えて、コクピットへとやって来たアイネスたちは、さっそくジランドルのレーダーでバーザを捕捉しようとした。
フリッカ「ロゴナは防衛衛星など起動させて、いったいどうするつもりなのでしょう」
ジエア『あんなの動かして、どうするつもりなんだろうね?』
しかしレーダーにはバーザのような巨大な物体は捕らえられてはいなかった。
アイネス「・・・ダメだわ、バーザを捕捉することが出来ない!ジランドルのレーダーでは、ψ太陽系内のことは探査できないのだもの」
今、このジランドルのいる星域は、銀河系宇宙でψ太陽系外縁から約4.3光年にあった。
ジランドルのレーダー探査範囲は、半径で約3.8光年である。
ジエア『アイネス、どうするの・・・!?』
アイネス「義兄様・・・!」
アイネスは目を閉じて、‘クレヴォヤンス’を使ってみた。
しかし何故かクリンドの姿を捉えることは出来なかった。
アイネス「・・・ダメだわ。‘見る’ことが出来ない・・・どうして?」
ジエア『ボクに、もっといっぱい‘力’があればなぁ・・・』
アイネス(いくらPsi能力を使っても、義兄様のお姿を‘見る’ことが出来ないなんて・・・いったい、どういうことなの?)
その理由についてアイネスは考えをめぐらしてみた。
アイネス「義兄様は、ひょっとしたら・・・バーザの中に?それで私には‘見る’ことが出来ないのかしら?」
フリッカ「でしたら、機械仕掛けさんにサポートしてもらって、ジランドルをバーザの針路にワープ・アウトすることは出来ませんか?」
アイネス「そうね。機械仕掛けさん、お願い・・・ジランドルをワープ・インするわ!」
機械仕掛けさん [了解じゃ。それではゆくぞ!]
機械仕掛けさんの掛け声とともにジランドルの船体に軽い襲撃が走る。
そして次の瞬間、スクリーンにはバーザの姿が映っていた。
アイネス「バーザ・・・ッ!!」
ピピッ
皆がバーザの威容に驚いている時、突然通信が入ってきた。
ケイゼル [・・・戻ったのか、アイネス!?]
それはガールドリアにいるケイゼルからの通信であった。
アイネス「お父様・・ただいま戻りました!」
ケイゼル [アイネス、すぐにそこからジランドルを退避させなさい!]
そこに映るケイゼルの姿は何故かひどく焦っているように見えた。
アイネス「お父様・・・!?」
ケイゼル [バーザの進路から、早く移動するのだ!
ガールドリアでは、第1級臨戦体勢に入ったのだ。すでに、本星からは全艦隊が迎撃に発進しておる]
アイネス「お父様・・・それでは、あまりにも好戦的ではありませんか!?」
アイネスは衛星1つにあまりにも大袈裟なガールドリアの態度に抗議の声を上げた。
ケイゼル [お前は、何も知らないのだ―!]
しかしケイゼルはそんなアイネスを一喝した。
アイネスはそんなケイゼルを今まで見た事がなく、その勢いに呆気に取られてしまう。
ピピッ
そこへ突然通信が割りこんできた。
ドルジオ [―まったく、その通りだな!!]
発信元はバーザから、相手はロゴナのドルジオ王子であった。
アイネス「・・・ドルジオ・ランガァ!!」
ドルジオ [フフフ・・・このバーザを、見くびってもらっては困るな‘生命ある宝石’よ、
いまバーザに帰順するのであれば、わたしの第二夫人として迎え入れてもいいですよ。
どうします、アイネス、ヴァレドゥープ・・・!?]
ジエア『このジランドルに何か武器があったら、バンバンバ〜ンってやっつけてやるのにっ!』
アイネス「このドルジオ王子の自信は、裏付けのあるものなのかしら?」
フリッカ「あの男がひとりで、こんなにだいそれたことが出来るはずがありません・・・きっと、ジェリスがそそのかしたんですよ!」
ドルジオ [それから1ついいことを教えて上げましょう。・・・このバーザの外壁にはね、メタ・チルテニウムが使われているのだよ]
アイネス「えっ・・・!?」
ドルジオ [フフフ・・・この意味がわかるだろう・・・。降伏するなら会わせてやってもいいぞ]
アイネス(やはりバーザの中には義兄様が・・・)
ドルジオ 「わたしは、早くこのバーザを試したいのだ。降伏するのか、しないのか・・・さっさと決めてもらえないか]
アイネス(どうしよう・・・。いまの私たちには、バーザをどうにかする手だてはないし・・・)
ジエア『・・どうするの、アイネス?』
フリッカ「アイネス様が、たとえ降伏なさっても・・あたしは、どこまでもお供いたしますよ」
ドルジオ [ハハハ・・・恨むのならば、遺産を残してしまったこのψ太陽系外の先人たちを恨むのだね]
ドルジオの高笑いを聞き、フリッカとジエアの視線に晒されながら、アイネスは決断した。
アイネス「私は・・・降伏します」
ドルジオ [そうか・・・あははは・・・。それでは約束どおり会わせてやろう]
すると映像が切り替わり、そこにアイネスの最も会いたかった人物が映った。
クリンド [・・・アイネス、久しぶりだね]
アイネス「義兄様、義兄様・・・ご無事でなによりでした。・・・私・・・私、いっぱい捜しました」
アイネスは以前と変らぬクリンドの姿を見て、安堵のあまり涙があふれ出しそうになった。
アイネス「いろんな人と会って、いろんな星国へ行って・・・。本当に、会えてよかった。私・・・私・・・」
アイネスの声は最後には涙声になっており、よく聞き取れなくなっていった。
アイネス「義兄様に会えて・・・とっても、うれしい」
でも最後の言葉だけは、はっきりとした口調になっていた。
クリンド [アイネス、ごめんね・・・]
アイネス「・・・いいえ!いいえ、義兄様・・・。どうか、そんなこと・・・おっしゃらないで下さいな。
義兄様、私・・・いまから、そちらへ参りますわ」
そこで映像が切れ、再びドルジオが映った。
ドルジオ [ではその船をバーザへ入れてもらいましょうか]
アイネスはバーザからの誘導にしたがってジランドルをバーザに向けた。
バーザに到着すると、兵士がハッチの外に待ち構えており、フリッカは手を拘束され、ジエアには磁力索で拘束された。
アイネスは武器を取り上げられただけで、特に何もされなかった。
そしてタラップを降りると、そこにはジェリス、ドルジオ、ディアブロの3人が待っていた。
ドルジオ「どうです・・・すばらしい衛星でしょう、このバーザは?」
ジェリス「ンフフ・・・ごきげんはいかが?」
アイネス「・・・ジェリス」
アイネスはジェリスを睨みつけた。
ジェリス「フフフ・・・これが、あなたの選んだことの結果なの?」
しかしジェリスは勝ち誇ったように微笑んでいる。
ジエア『アイネス・・・ボク、情けないよう。 ユオンが‘力’の引き出し方も教えてくれていたら、こんなことにはならなかったのになあ』
フリッカ「あたしの力がおよばなくて、本当に申し訳ございません」
フリッカはうなだれるようにして、アイネスに近づいた。
フリッカ「アイネス様・・・‘チャンス’が訪れた時には、お互いに逃さないようにいたしましょうね」
そして、すばやくそう言うと元の位置に戻った。
アイネスは小さく頷き返すと周りに目をやった。
アイネス(義兄様がいらっしゃらないようだけど・・・)
そう思ったとき、アイネスの脳裏に別のフロアの個室にいるクリンドの姿が見えてきた。
アイネス(義兄様・・・よかった・・・。それに、この艦内では、私のクレヴォヤンスが使えるわ!)
ジェリス「どうやら、エヌベルユへもいったみたいだけれど・・・巫女様は、お元気でいらっしゃった?」
それはアイネスのクレヴォヤンスを使い終わったのを見計らったようなタイミングでかけられた言葉だった。
アイネス「えっ!?」
その事に驚いたアイネスはジェリスに問いかけようとした。
ドルジオ「ところで‘生命ある宝石’よ。どうしてアナタをバーザに迎え入れたかお分かりかな?」
しかしそれを問いただす前にドルジオに声をかけられた。
ドルジオ「それは、ガールドリアの防衛軍を骨抜きにするためなのです。
ま、そんなことをしなくても、このバーザは落ちたりしませんけどね」
アイネス「どういうこと・・・?」
アイネスにはまだドルジオの自信の源がなんなのか分からなかった。
ドルジオ「あなたは・・・本当に何もご存知ないんだなあ。そのバロッキーはね、‘カギ’なのですよ」
ドルジオは呆れたような目でアイネスを見てきた。
アイネス「カギ・・・?いったい何の?」
ディアブロ「このバーザは、初めから防衛々星などではなかったのですよ。
ま、心配しなくても、もうすぐバーザの本性が分かりますよ」
[・・・ガールドリア艦隊、射程距離に入りました!]
そうディアブロが言い終った時、艦内放送が流れた。
ディアブロ「来ましたね」
ディアブロは怪しく笑うと、メインスクリーンに映ったガールドリア艦隊を見た。
アイネス「何をするつもりなの!!」
そんなディアブロの姿に不吉なものを感じたアイネスは大声で叫んだ。
ドルジオ「よし、最高出力でおみまいしてやれ!‘戦略衛星バーザ’としての、進宙祝いにふさわしくな!!」
しかしドルジオはそんなアイネスを無視して号令をかけた。
すると一条の光がバーザより放たれた。
その光はとてつもなく大きく、ガールドリア艦隊の全てを飲みこめるほどのモノだった。
そして光がおさまった後にはガールドリア艦隊の姿は陰も形もなくなっていた。
フリッカ「ガールドリア艦隊が・・・」
ジエア『・・・消えちゃった』
アイネス「・・・あっ・・・あぁ・・・」
ジェリス「アハハハ・・・!!」
アイネスたちが呆然とその光景を眺める隣りでジェリスが高らかと笑い声を上げた。
ジェリス「このバーザが宿した竜が、いま目覚めた!
美しく・・・そして、恐ろしい竜瞳のきらめき。
・・・ドラゴンアイは、ついに蘇ったわ!!」
<つづく>