LalkaStory
三門の研究室にやってくる。 三門 「おう、よく来たな。」 「史依を孵化させたいんだけど。」 三門 「OK――…。」 |
「まだ、孵らないのかな?」 三門 「……せっかちだな。もうすぐだよ。」 |
三門 「――ヤバッ! ‘アッパーネットの亡霊’だ! ――孵化は、中止するっ!」 「また、’アッパーネットの亡霊’か――。」 三門 「そうアセるなよ、もう一度――…。」 |
――‘ADA’史依誕生―― |
史依 「……モノ好きね。 アタシを孵すなんて――…」 「色っぽい天使だな――…。 ……何だか、目のやり場に困る。」 史依 「んふふ――…。」 |
史依 「でも、よかったわ――…。 ――負けた相手があなたで。」 「え?」 史依 「てっきり、その場でされちゃうかと思ってたんだけど――。」 「ん、ああ……」 史依 「私もまだ、アイドルを辞めたくはないから――…。」 |
史依 「で、お捜しの‘パーソナリティ’は――。 ――見つかったのかしら?」 「いや、全然。手がかりがまだ二つしかないんだ。」 |
「インフォメーションシーカー――…。 ……ポリィティカルアイドル。」 |
史依 「――ふぅん。 ……………… ……バカみたい。」 「え?」 史依 「そんなもの―― ――何の手がかりにもならないでしょう?」 |
史依 「だって―― すべてのパーソナリティが‘そう’なんだもの。」 「んぅ――…。」 |
‘エージェント’とは、 氾濫する情報の中で、 個人が必要とする情報を選り分け、あるいは 探し出すためのプログラム。 そして、それに人格を与えたものが、‘パーソナリティ’だ。 史依 「私たち‘パーソナリティ’――‘エージェント’は、 すべて‘インフォメーションシーカー’よ?」 |
史依 「‘ポリィティカルアイドル’だって――そうでしょう。 ‘サイバーアイドル’が、今―― ――いったい、何人いると思っているの?」 |
「確かに……。」 ‘インフォメーションシーカー’も ‘ポリィティカルアイドル’の‘アイドル’も 手がかりにはならない――… だったら―― |
‘ポリティカル’―― これが唯一、意味のあるキーワード…… 「まさか……。」 |