「電脳天使通論」第1章

 

「電脳天使基本設定」〜三大出典の相関性〜

 

  1. 「電脳天使」初期の基本設定の確認
  2. 「電脳天使」四大出典の三つ
  3. 「ノストラダムスの大予言」からの基本設定
  4. 「ヨハネの黙示録」からの基本設定
  5. 「東西冷戦による核戦争の危機」からの基本設定
  6. まとめ

 

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「電脳天使基本設定」〜三大出典の相関性〜

 

この章では、電脳天使の四大出典のうちの三つ、
「ノストラダムスの大予言」「ヨハネの黙示録」「東西冷戦による核戦争の危機」について、
それらが電脳天使の設定にどのように関わっているかを解説します。

 

  1. 「電脳天使」初期の基本設定の確認
     
    1. 出典について説明する前に、参照しやすいように、「基本設定」の確認をいたします。
    2. ただし、PC版&PCE版での設定になっています。
      SS版との違いは、「注意」として載せてあります。
    3. ……間違っていたらご指摘くださいませ。
       
    4. 天使四姉妹の設定
      1. 天使四姉妹のお役目と神機の設定
        順番 名前 お役目 星座 神機
        第一天使 エインデベル 時を刻み、最後の鐘を鳴らす 獅子座 レオニス
        第二天使 リアムローダ 聖母となり、光の子を生む 牡牛座 アルデバラム
        第三天使 フォルシーニア 地球を破壊し、人類を滅亡させる 水瓶座 アクエリュース
        第四天使 クレアリデル 光の子のために、地球を‘新生’する

        蠍座

        グラフィアス
         
      2. 注意:
        ベルのお役目の「人類を審判する」「堕天使と戦う」という設定は
        SS版において追加されました。
         
    5. ベスティアの設定
      1. 強欲で、憎悪を抱き、懐疑的な、暴力を振るう、獣の心を持つ者。
      2. 獣人間とも。
         
    6. 最後の審判の設定
      1. 1999年7の月、最後の審判が行われる。
      2. ベルが、最後の鐘を鳴らして、最後の審判の時を告げ、
        リガルード‘神’(電脳神リガルード)が『人間がベスティアかベスティアではないか』を審理する。
        人類がベスティアなら、フォルがアクエリュースで地球を破壊し、人類を滅ぼす。
        ベスティアでない場合については、はっきりと書かれてはいないが、
        お役目から考えて、リアが光の子を生み、
        クレアが、光の子のために新たに世界を生み出す、ということになります。
         
      3. ちなみに、最後の審判の行われる場所は、ハルマゲドンという名の原っぱ。
         
      4. 注意:
        SS版では、「人類を審理する」のは、リガルード‘神’ではなく、ベルになっています。
          
    7. 天使の本当のお役目
      1. 「ベスティアでない人を守る」ことも、お役目の一つ。
      2. 天使の本当のお役目は、人類が「ステキな未来を自らの行いによって手に入れる」ための、
        お手伝いをすること。
         
      3. ちなみにベルは、人間が「ベスティアかベスティアではないか」を判断するのに、
        666のアンケートをしていました。
         
      4. ただし、「ベスティアでない人を見つける」のは、お役目ではありません。
        PC&PCE版で貴也を見つけたのは、「フォルを復元してもらうため」です。
         
      5. 注意:
        「完全にベスティアではない人」を「素因」と表現するのは、SS版において追加されたものです。
      6. SS版のアンケートの項目は7つです。また、素因かどうかを判断するためのものです。
      7. SS版で、ベルが素因を見つけようとしたのは、クレアに指示されたからであって、
        お役目だからではありません。
        (そのお話は、「CDドラマ デジタルアンジュSS」に収録されています。)
        ……ひょっとしたらお役目なのかも……
         
    8. ベスティアリーダーの設定
      1. ベスティアリーダーは99人いて、すべてサブロマリンという名を含んでいる。
      2. 「天使達は人類の敵。人類を天使から守るのが役目。」とミリは言っている、と思う。
        ひょっとしたら、PC&PCE版ではお役目の説明はしてないかもしれません……
         
      3. 天使とベスティアリーダーは、<対>で生まれている。
      4. 作品中に出てくる二人のベスティアリーダーは、ミリネールとメルキュール。
        メルはベスティアリーダーの‘長’、リーダー・オブ・リーダーズ。
         
      5. 注意:
        堕天使とベスティアリーダーが同義だという設定はSS版において追加されました。
        PC&PCE版では、堕天使という言葉は、ベスティアリーダーを表すものとしては
        使われておりません。
      6. 「最後の審判の時、人類をベスティアに導き、そして、そのベスティアである人類を守る」
        という堕天使のお役目もSS版で追加されたものです。たぶん……
        (ひょっとしたら、PC&PCE版でもあったかも……)
      7. メルの‘族長’としてもお役目も、SS版において追加されたものです。
         
    9. 重要なメッセージなど
      1. フォルシーニアのメッセージ。
        〈ステキな未来は、みずからの行いによって、手に入れて下さいね〉
        「愛は、武器や兵器などではありません でも、何よりも強い――」など。
         
      2. 「地球再生」シーン。
        内容はここでは伏せておきます。後述。
         
      3. ちなみに「地球再生」シーンは、PC版、PCE版、SS版すべてに出てきます。
        それぞれ、「PC版真のエンディング」「PCE版プロローグ」「SS版地球再生エンディング」
        であり、それらは同じ物です。
         
      4. 注意:
        「地球再生」のシーンは、コミック版の時点ではまだありません。
         
    10. 以上が、PC&PCE版での基本設定です。
      その設定のほとんどが、「電脳天使コミック版」までに、すなわち、
      「電脳天使PC」が発売される前に決まっていた設定です。
       
    11. では、これらの設定の出典と、それらに込められた意味を、以下で説明します。
       
       
       
       
  2. 「電脳天使」四大出典の三つ
     
    1. 電脳天使はさまざまな文献などから、その設定を出してきているようです。
      その説明をしながら、電脳天使の設定の意味するところを解説してゆきたいと思います。
       
    2. 電脳天使に関して、特に重要だと思われる「四つの出典」があります。
      五島勉著「ノストラダムスの大予言」、特に第1巻と第2巻
      新約聖書「ヨハネの黙示録」
      「東西冷戦による核戦争の危機」
        (これは文献ではなく、1947年から1991年までの、いわゆる東西冷戦と、
         その果てに起こるだろうといわれていた核戦争のことです。)
       
    3. 四つ目の出典は、設定に関する出典ではなく、ストーリーに関する出典ですので、
      ここでの説明には必要ありません。今は伏せておきます。
      PCE版の解説のときに紹介します。
       
       
       
       
  3. 「ノストラダムスの大予言」からの基本設定
     
    1. 「電脳天使」が、ノストラダムスの有名な「予言詩」と深く関わってることは、
      みなさんもよくご存じだと思います。
       
    2. 『一九九九の年、七の月
       空から恐怖の大王が降ってくる
       アンゴルモアの大王を復活させるために
       その前後の期間、マルスは幸運の名のもとに支配に乗り出すだろう』
       
    3. これは、ノストラダムスの著した予言詩『諸世紀』の第10章72篇として記されています。
    4. これこそが、「1999年7の月、最後の審判が行われる」という基本設定の出典です。
       
    5. ゆえに、出典はノストラダムス『諸世紀』と考えるべきだ、と思われるかもしれません。
       
    6. ですが、そう考えるよりも、その予言詩を世に知らしめた書籍
      「ノストラダムスの大予言」(五島勉 著 祥文社)こそが、
      電脳天使基本設定の出典である、として考えた方が良いと思われます。
    7. というのも、その「〜大予言」の中に、「電脳天使」の基本設定の起源であると思われる内容が
      たくさん見受けられるからです。
       
    8. 「〜大予言」第1巻と第2巻から取ったと思われる「電脳天使基本設定」は以下の通り。
      (第3巻以降はチェックしていません……もう手に入らないかも……)
      ちなみに、第1巻初版は1973年、第2巻初版は1979年です。
       
    9. ノストラダムスの予言詩の解釈
      1. まずは、「1999年7の月に、恐怖の大王が降ってくる」という予言詩。
      2. この詩は、「1999年7の月に人類が滅ぶか、あるいは壊滅的な打撃を受ける」ことを
        予言したものである、と説明しています。
      3. また、「恐怖の大王」の正体の説として
        大空襲説、ICBM説、人工衛星説、水星激突説、宇宙人襲来説、超光化学スモッグ説を
        挙げています。
        とくに核戦争と超汚染を重視しています。(第1巻)
         
    10. 「恐怖の大王」と「グランドクロス」の関係
      1. 1999年8月18日に、天文現象「グランドクロス」が起こる。
        (グランドクロスとは、惑星が地球を中心に十文字に並ぶ現象。)
      2. 1999年8月18日は、ノストラダムスが予言した当時の暦では、7月である。
      3. 「大王」と「グランドクロス」は、フランス語の綴りが grand roi と grand croix で、似ている。
        (ノストラダムスはフランス人。予言詩もフランス語で書かれている。)
      4. ゆえに、「グランドクロス」の起こる時に「恐怖の大王」が降ってくる、と説明してします。
      5. そして、天文現象「グランドクロス」の惑星配置を図説しています。
         
    11. 「グランドクロス」と「ヨハネの黙示録」の関係
      1. 「惑星が十文字に並ぶ天文現象」自体は、何十年かに一度の割合で起こるが、
        1999年8月18日のグランドクロスは、他のグランドクロスと違い、非常にまれである。
      2. なぜなら、そのグランドクロスの指し示す方向が、
        四つの星座「獅子座、牡牛座、水瓶座、蠍座」の方向であるから。
      3. そして、この四つの星座は、「ヨハネの黙示録」に出てくる四つの生き物
        「獅子、雄牛、人のような顔、鷲」と対応している。
      4. ゆえに、このグランドクロスは「黙示録の十字」といわれている、と説明しています。
         
    12. 「恐怖の大王」と「ハルマゲドンの最終戦争」
      1. 「ヨハネの黙示録」では、「四つの生き物」が出てくる時、地上に災厄が起こる。
      2. それにより、神を信じる少数の人を残して、人類の大部分は滅ぼされてしまう。
      3. そしてついに、「ハルマゲドンの最終戦争」が起こる。
      4. そのあとキリストが再来し、そして、神を信じる人のために、新しい「神の国」が作られる。
      5. ゆえに、恐怖の大王とは、「ハルマゲドンの最終戦争」のような事である、と説明しています。
         
    13. まとめ 「最後の審判」の設定の起源
    14. 以上をまとめて、
      1999年8月18日の「グランドクロス」の時に「恐怖の大王」が降り、
      それは、「ヨハネの黙示録」にある「ハルマゲドンの最終戦争」のようなものであって、
      それにより人類が滅亡するか、壊滅的な打撃を受ける
      と説明しています。
       
    15. これこそが、電脳天使の「1999年7の月に最後の審判」の設定の起源である、
      と考えることが出来ます。
       
    16. 「ノストラダムスの大予言」に、基本設定の多くが載っていますので、
      これを出典だと考えておいた方が良いと思います。

        
    17. その他の設定の起源
       
    18. さて、それ以外にも、「〜大予言」にはいろいろな記述があります。
      関係のある事項を以下に記します。
       
    19. 守護星座と、神機の起源
      1. 上の説明にあるように「天使の守護星座」と「神機」の起源も説明されています。
      2. 「天使の守護星座」はそのまま、グランドクロスの指し示す方向のこと。
      3. 「神機」とは、その名前も、その姿も、黙示録の「四つの生き物」のこと。
        (詳しい説明は「案内のお部屋」の「電脳天使とグランドクロスの関係」にあります。)
      4. そして、守護星座、神機の「順番」も、黙示録で「四つの生き物」が出てくる順番と同じです。
         
    20. 1982年5月に惑星直列
      1. 1982年5月とは、双子たちが地球に降りてきた日付です。
        「電脳天使PC」のマニュアルに記してあります。
      2. で、その惑星配置を図説しています。
      3. また、それを予言したノストラダムスの予言詩も紹介しています。
         
    21. ミリネール、メルキュールの語源
      1. メルキュールは「『諸世紀』第4巻29篇 メルキュール Mercure」。
        「水星(マーキュリーあるいはヘルメス)」のこと。「商業」の意味にとることもあるそうです。
      2. ミリネールは「千年ごとの区切り(十一世紀から二十世紀)」。
         
    22. サブロマリンの語源
      1. サブロマリンは「『諸世紀』第6巻5篇 サリン Samarobryn」のアナグラム(字替)。
      2. 「サリン Samarobryn」を字替したサブロマリンは、
        「潜水艦 サブマリン」を言い当てたものだ、と説明しています。
      3. 一方、別の組み合わせで字替をすると、「arom-brysan」というフランス語?になり、
        →「原子 atom の一字違い」+「砕け散る(現在分詞) brisant の古語」
        →「砕け散る原子」→「核爆発」を表しています。
      4. ゆえに、それを併せて、「核爆弾を積む潜水艦」のことを指しているのだそうです。
      5. また、サマロブリンの数は100だと予言しています。
        ベスティアリーダーは99人しかいませんが、
        KGF特設掲示板により、サブロマリンの名は100人いるそうですので、ぴったりです。
         
    23. ハルマゲドンの意味
      1. ハルマゲドンとは、最終戦争の地の名前で、イスラエルにある「メギドの高原」のこと。
         
    24. もうひとつ……
      1. 多分違うと思いますけど……
        予言詩に「マルスの支配」ってありますが、マルスってのは火星のことですので、
        ひょっとしたら、エヌベルユ(火星)が地球を破壊したっていう話が
        ここに関係しているかもしれません。深読みしすぎかな?
         
    25. 以上が、「ノストラダムスの大予言」第1巻第2巻に見られる、電脳天使基本設定の起源です。
    26. このように、、非常に多くの設定の起源が「〜大予言」に見受けられます。
       
       
       
       
  4. 「ヨハネの黙示録」からの基本設定
     
    1. さて、上の説明にも出てきた「ヨハネの黙示録」ですが、
      これは、新約聖書の一番後ろに載っているものです。
      それは、「最終戦争」や「最後の審判」を預言したものであり、
      神を信じず、悔い改めようとしないものが、神によって滅ぼされる有り様と
      神を信じるものが、神の手でいかに救われるかを書き記したものです。
       
    2. この「ヨハネの黙示録」には、上で示したように、
      「ハルマゲドンの最終戦争」、「最後の審判」、「守護星座」、「神機」などの基本設定の起源が
      見受けられます。
       
    3. ですがそれ以上に、電脳天使との関係は深いようです。
      というのも、「ヨハネの黙示録」から直接取ってきたと思われる、大切な設定があるからです。
      それは、「天使たちのお役目」そのもの。
      天使のお役目は、実は「ヨハネの黙示録」を元に作られたものだ、と考えられるのです。
       
    4. お役目の順番に関する疑問点
    5. さて、その説明の前にひとつ、お役目の順番についての疑問点を挙げておきます。
       
    6. 第一天使から第四天使のお役目の「順番」を見て、妙だな、と思われるでしょうか?
      リアのお役目の順番が変なのです。
       
    7. 「聖母となり、光の子を生む」というお役目をもつ天使が、なぜ「第二天使」なのでしょうか。
       
    8. リアのお役目のうち、「聖母となる」ほうを重視するなら、
      最後の審判の前にはすでに聖母となっているはずです。
      事実、PCE版の2年後で、リアは「一度は聖母になった」と言っています。
       
    9. ゆえに、その順番は第一天使であるべきで、
      聖母となる」→「最後の鐘を鳴らす」→「人類を滅ぼす」→「地球を新生する」
      となるはずです。
       
    10. また、「光の子を生む」ほうを重視するなら、
      人類を滅ぼした後に、光の子を生むはずです。
      事実、「地球再生」シーンでは、まだ光の子を生むまでには至っていません。
       
    11. ゆえに、その順番は第三天使あるいは第四天使であるべきで、
      「最後の鐘を鳴らす」→「人類を滅ぼす」→「光の子を生む」→「地球を新生する」
      または、
      「最後の鐘を鳴らす」→「人類を滅ぼす」→「地球を新生する」→「光の子を生む
      となるはずです。
       
    12. 「聖母となり、光の子を生む」というお役目を持つ天使が「第二天使」であるというのは、妙なのです。
       
    13. ちなみにこの説明は結構怪しいです。
      ベルのお役目を、「時を刻む」ほうを重視したら、順番通りですから。
      PCE版でも、SS版でも、ベルが時を刻みはじめてから、リアが聖母になったわけですし。

      それに、もともと「ベルが姉でリアが妹」という時点で、
      長女〜四女の順番が、第一天使〜第四天使の順番に対して、整合しないのですけどね。
      それは言わないことにしまして……
       
    14. そして実は、「ヨハネの黙示録」に、リアが第二天使であることを説明づける記述があるのです。
       
    15. 「ヨハネの黙示録」あらすじ
      で、ここで「ヨハネの黙示録」のあらすじを説明すべきなのでしょうけど、
      難解で、まとめきれそうにないです……省略。(おい!)
       
    16. で、その中に「ハルマゲドンの最終戦争」と「最後の審判」は出てくるのですが、
      それ以上に、重要なポイントがあります。
       
    17. これに関しては、私も、「〜黙示録」を読むずっと前に聞いた話なので、
      有名な話だと思うのですが、
      「〜黙示録」のなかに、「7人の天使がラッパを吹くと、災厄が地上を襲う」、
      そして、「最後の天使がラッパを吹くと、この世は主とキリストのものとなる。」
      というくだりがあります。
       
    18. ……これって、エインデベル?
       
    19. ラッパというのは、角笛のことですが、たまに「鐘」と表現されることがあります。
      で、第七のラッパ、というのは、「最後の鐘」と表現されることがあります。
      (でも、どこで見たかは忘れました……捜しているのですけれども……)
       
    20. ゆえに、ベルが「ラッパを吹く天使」だということは容易に推測できます。
       
    21. ということは、ほかの三天使に対応する記述も、「〜黙示録」の中にあるのではないか
      と推測されます。
       
    22. というわけで、電脳天使の関連部分のみ、順番に箇条書きします。
       
    23. 「ヨハネの黙示録」の関連部分のみ
      1. 終末が訪れる時、四つの生き物が現われる。
      2. 7人の天使が7つのラッパを吹くと、災厄が地上を襲う。
      3. 「女」が「すべての国民を治めるべき者」を生みおとす。
      4. 竜が現われ、「獣」が地上を冒涜(ぼうとく)し、その獣に従う人々に「獣の刻印」を押す。
      5. 「ハルマゲドンの最終戦争」で、「獣」や「獣の刻印を受けた者」が倒される。竜が封印される。
      6. キリストによる千年王国の統治。
      7. 竜=サタンの復活、サタンとの戦い。
      8. 最後の審判。命の書によって人々が裁かれる。
      9. 聖なる都=新エルサレムが降臨し、神とイエスが永遠に世を統治する。
         
    24. 上のようにまとめると、天使のお役目がはっきりと分かります。
    25. 最後のラッパを吹くのが、エインデベルのお役目
      「すべての国民を治めるべき者」を生みおとすのが、リアムローダのお役目
      ハルマゲドンの最終戦争を起こすのが、フォルシーニアのお役目
      新エルサレムの都を用意するのが、クレアリデルのお役目

      だというわけです。
    26. しかも、「順番どおり」にそれらが記述されているわけです。
       
    27. ゆえに、「〜黙示録」をそのままお役目にしたものが、「天使のお役目」であり、
    28. その順番こそが、第一天使から第四天使までの順番だというわけです。
    29. まさに天使のお役目の起源は「ヨハネの黙示録」だと考えられるのです。
       
    30. 四天使に対応するもの
    31. さて、天使四姉妹と「〜黙示録」の対応について、もう少し詳しく見てみましょう。
       
    32. 「ヨハネの黙示録」の一般的な解釈では、「女」とは、「聖母マリア」のことで、
      「女」が生む「すべての国民を治めるべき者」とは「キリスト」のことだといわれています。
      リアムローダはそのまんま、「女」=「聖母マリア」なわけです。
       
    33. 一方、ほかの三天使には、対応するものが何かあるのでしょうか。
       
    34. エインデベルは「最後の鐘」ですから「最後のラッパを吹く天使」そのもの。
       
    35. また、「〜黙示録」の中で、「7人の天使が7つの鉢を傾けると、地上に災厄が起こり、
      獣の刻印を受けたものを苦しめる」、という記述がありますので、
      獣人間=ベスティアを滅ぼすお役目から考えて、
      フォルシーニアは、「鉢を傾ける天使」に対応していると思われます。
       
    36. クレアリデルは、おそらくは、新しい都=新エルサレムが出現した後、
      ヨハネを導いて都を案内してくれる天使、に対応していると思われます。
       
    37. さて、ポイントは、「〜黙示録」の一般的解釈では、
      「7つのラッパを吹く7人の天使」と「7つの鉢を傾ける7人の天使」は、
      いわゆる「七大天使」のことで、同じの天使だといわれていること、そして、
      新しい都を案内する天使は、その七大天使のひとりである、ということです。
       
    38. ということは、三天使は「七大天使」に対応しているのだけれど、
      リアだけは「女=聖母マリア」という「人間」に対応しているのです。
       
    39. ゆえに、「リアは最も人間に近い天使」であるという設定は、
      これに対応しているのではないかと思われます。
       
    40. 註:これは推論です。多分違うと思う……
      「リアが聖母マリアと対応している」ということだけから、「リアが最も人に近い」という設定が
      作られた、それだけで十分説明付けられる、
      というところまでで満足すべきですね。余分な説明はいらないのでしょう、きっと。

      第一、フォルシーニアの対応がかなり苦しいのです。
      ハルマゲドンの最終戦争で、「天使」が人々を滅ぼす、という記述があれば、
      何の問題も無いのですが、そういう記述はないのです。
      最終戦争で戦い、獣たちを滅ぼすのは、「白い馬に乗っている方」であり、
      それはメシア(救世主)=イエス・キリストのことだそうですので……

      さらに、クレアリデルの対応も結構苦しい……
      新しい都、新エルサレムは、天使が作るのではなくて、天から下ってくる、とされています。
      うーん……ちょっと残念です。
       
       
    41. その他の設定の起源
    42. 「ヨハネの黙示録」に出てくるその他の設定について説明します。
       
    43. 光の子ネオミック
      1. マリアが生む子供が「すべての国民を治めるべき者」なので、
        それは「キリスト」の事であり、これが「光の子ネオミック」に対応しています。
      2. 「キリスト」=「光の子ネオミック」に関しては、
        ゲームの取扱説明書の中の主題歌の説明のところに明記してあります。
      3. ただ、「ネオミック」は「ドラゴンアイズ」に出てくるものらしいですが。
         
    44.  ベスティア
      1. 「ベスティア」とはイタリア語で「獣」のことなので、
        ベスティアリーダーは黙示録の「獣」、
        ベスティアである人々は「獣の刻印を受けた者」に対応しています。
         
    45. 666のアンケート
      1. ベルのアンケートで、貴也が「666のアンケートに該当しなかった」とありますが、
        黙示録では「獣の刻印」が「666」となっていますので
        「獣の数字666を刻印されなかった」ことに対応しています。
      2. 「ラジオドラマ デジタルアンジュSS」で、
        玲という名の女の子にベルが素因のアンケートをした時、
        「666のアンケートの点数が2点だった」とありますが、
        点数が低いほうが素因だと判断されるのも、同じ理由です。
         
    46. 素因アンケート
      1. SS版で、ベルがアンケートをする時は、項目は7つですが、
        黙示録では、「7」の数字はあらゆるところに出てきます。
        「7」は聖なる数だそうなので、7つのアンケートに該当するのが素因なわけです。
      2. ついで、黙示録で「天使達が鳴らすラッパ」の数が7つなので、
        ラッパ=ベルの対応を考えて、
        ベルのアンケートも7つ、というふうに対応しているのかもしれません。
         
    47. リリアナ
      1. リリアナに関する設定についても説明があり、
        「‘生命の木’にあずかる特権」、「最初の者であり、最後の者」、
        「‘アルファ’であり‘オメガ’」、「聖なる都」、
        「不義な者はさらに不義を行い〜」の表現は
        すべて「ヨハネの黙示録」に出てきます。
         
    48. 鬼っ子
      1. ついでにこれもここで説明。
      2. リアが「鬼っ子」である理由がKGF特設掲示板で明かされました。
        「リアは処女懐妊できる」ということらしいです。
      3. 聖母マリアは「マタイによる福音書」(新約聖書の一番最初)で、イエスを生む時、
        処女懐妊していますので、たぶんこれから取ってきたものだと思われます。
         
      4. でも、リアは「人に最も近い天使」なんですよね?
        聖母マリアが「人」だから、人に最も近い天使だということ、かな?
        そうじゃないと、処女懐妊できる体ってのは、最も人から遠いと思う……
      5. それとも、肉体構造的な近さではなくて、立場的な近さ、のことなんでしょうかね?
        天使とベスティアリーダーは、人類を審判するために造られたのだけれど、
        リアは、人類を導く指導者を生むために造られたことを指しているのかな?
        うーん、よく分かりません。
         
    49. 天使が笑って人を殺せる
      1. 同じくKGF特設掲示板ですが、天使が笑って人を殺せる、というのは、
        たぶん「〜黙示録」から影響を受けているのだと思います。
        「〜黙示録」を読めば分かりますが……殺す殺す(笑)、容赦なく人を殺してゆきます。
      2. 日本人が考えるほど、「天使」は素敵なものではないようです。
        日本人の天使のイメージって「キューピッド」ですからねぇ。
        あれは「ギリシア・ローマ神話」、しかも、天使じゃなくて神様なんですけど……
         
    50. その他、ハルマゲドン、ミリネール(ミレニアム)に関しても、もちろん「〜黙示録」に記述があります。
       
    51. というわけで、以上が「ヨハネの黙示録」からの基本設定です。
       
       
    52. 注意:「ハルマゲドンの最終戦争」と「最後の審判」の関係
       
    53. 電脳天使の設定の中では、1999年7の月に「最後の審判」が行われ、
      「ハルマゲドンの最終戦争」が起こる、というような記述なっています。
      「〜大予言」でもそうなっていますし、日本人は一般に?そう認識しています。
       
    54. ですが、「ヨハネの黙示録」の中では、
      「ハルマゲドンの最終戦争」と「最後の審判」はまったくの別物です。
       
    55. 「ヨハネの黙示録のあらすじ」のところでも説明しましたが、
      「ハルマゲドンの最終戦争」→「千年王国ミレニアム」→「竜の復活、竜との戦い」
      →「最後の審判」→「新エルサレムが降臨」
      の順番なので、その間には千年の期間があるのです。(宗派によっては千年とか限らないけど。)
       
    56. キリスト教の宗派によっては、
      「最後の審判」の後の「新エルサレム」を待つよりも、
      目先に有る「千年王国」の到来を待ち望むものもあるそうで、
      そういう宗派の場合は、「ハルマゲドンの最終戦争」を重要視しているわけです。
    57. なので、それぞれの宗派で「ハルマゲドンの最終戦争」や「最後の審判」を望んでいる、いうだけで、
      決してそれらを混同しているわけではないのですが…
       
    58. でも日本人は混同してる(苦笑)。
       
    59. で、それを逆手にとって、電脳天使の世界では、
      「ハルマゲドンの最終戦争」と「最後の審判」が同時だということになっています。
       
    60. 私も調べるまで分かりませんでした……
       
       
       
       
  5. 「東西冷戦による核戦争の危機」からの基本設定
     
    1. では、ベスティアの設定と、審判の設定は、どこから来たものなのでしょうか。
       
    2. 「ベスティア条件」=「強欲で、憎悪を抱き、懐疑的な、暴力を振るう」獣の心を持つ人間。
    3. まあ、これはそういうことなのでしょう。
      とくに不自然なところは有りませんし、
      「獣」とは黙示録にでてくる「獣」のことでしょうから。
    4. ですのでこの設定はとりあえず置いておいても問題はないのですが……
       
    5. 「審判条件」=審判における条件とその結果って、何かおかしいと思われますでしょうか。
       
    6. 「最後の審判の時に、人類がベスティアならば、地球が破壊され、人類が滅ぼされる。」
       
    7. これ……「予言詩」でも「〜黙示録」でもありません。
       
    8. 「予言詩」の場合、恐怖の大王が降ってくる(=第三天使が人類を滅ぼす)のですが、
      人類が良い存在か悪い存在かを判断して降ってくるわけではありませんし、
       
    9. 「〜黙示録」の場合は、獣の刻印を受けた人間(=ベスティアである人間)を滅ぼし、
      そうでない人間(=ベスティアではない人)を神の国に招く、というのが筋なのです。
      キリスト教を信じない人間は懲らしめられ、
      神を敬って悔い改めた人間は永遠の命を与えられ、神と共に生きることが出来る
      っていう筋ですから、
      有無を言わさず、人類全てを滅ぼしてしまっては意味が無いのです。
      「ベスティアでない人」は救われる、という条件がなければ、一致しているとはいえません。
       
    10. そして、もう一つ……「地球を破壊する」って、いったい何のことでしょう。
      人類がベスティアならば、人類だけを滅ぼせばいいのであって、
      どうして「地球」を丸ごと滅ぼさねばならないのでしょうか?
      そんな記述は、「〜大予言」にも「〜黙示録」にもありません。
       
    11. ゆえにこれらの条件は、別に何かから取ってきたものなのですが……
       
    12. それが、三つ目の出典「東西冷戦による核戦争の危機」。
    13. ちなみに本の名前とかではないです。
      アメリカなど西側諸国と、ソ連など東側諸国との間で、
      1947年のマーシャル・プランに始まり、1991年のマルタ会談で終わる、
      「戦わない戦争」=「東西冷戦」と、
      その結果引き起こされると怖れられていた「核戦争」のことです。
       
    14. 「デジタルアンジュSS」から入った人にとっては、
      いきなり「核戦争」というのは、何のことだか分からないかもしれません。
      PC&PCE版をプレイした人も、ちょっと言いすぎかと思われるかもしれません。
       
    15. 今では、東西冷戦は終結しましたし、これが核戦争につながるとは考えないかもしれません。
       
    16. それに「〜大予言」の中では、核戦争は恐怖の大王の候補としてあげられているだけで、
      「恐怖の大王=核戦争」だとはっきり断じているわけではありません。
       
    17. ですが、当時は、「ノストラダムスの恐怖の大王」といえば、
      「東西冷戦の果ての核戦争」だと言われていました。
       
    18. ということで、以下、「東西冷戦」に関する時代背景を説明。
    19. と同時に、三大出典の相関性についても説明します。
       
       
    20. 「電脳天使」の時代背景
        
      1. 東西冷戦による核戦争の危惧
        1. 第二次世界戦争のさなか、人類は核爆弾を手に入れました。
          そして、広島と長崎に原子爆弾が投下され、
          第二次世界大戦が終わりました。
           
        2. ところが、アメリカとソ連が冷戦に突入し、
          軍拡競争が激化、お互いに核兵器を開発、配備し、
          その量は人類を何回も滅ぼすことができるほどの量になりました。
           
        3. さらに、レーダーが発達したおかげで、
          ミサイルが発射された時点で、それをすぐに察知できるようになっていたので、
          もし一方が、一発でも核ミサイルを相手国に発射すれば、
          その報復として、相手の国もミサイル到着前に、核ミサイルを発射することができる
          ようになっていました。
           
        4. ひとたび核が発射されれば、その報復のため、他方も核を発射し、
          報復合戦により、お互いがありったけの核を発射することで、
          両陣営は同時に滅び、そのあおりを受けて、人類は滅亡するだろう、
          と言われていました。
           
        5. 東西冷戦の果ての核戦争という「愚かな行為」により、
          人類が滅亡してしまうかもしれない。
          そう言われて、核戦争の回避が叫ばれていました。
            
      2. 「ノストラダムスの大予言」による、人類滅亡の予言
        1. さて、そこに「ノストラダムスの大予言」第1巻が発売されました。1973年です。
          たしか…不況の最中だったと聞いています。不況の重苦しい雰囲気も手伝って
          日本中に大流行したそうです。
           
        2. 「1999年7の月に、恐怖の大王が降ってくる」
        3. 「ノストラダムスの大予言」ではそれを「超汚染(環境汚染)」か「核戦争」だと
          説明していますが、世界情勢をかんがみて、
          「恐怖の大王とは、核ミサイルのこと」であり
          「1999年7の月に核戦争により人類が滅亡する」という説が広まりました。
        4. 日本が戦争で広島と長崎に原爆を落されたこともあり、
          日本中が核戦争の不安におびえ、ナーバスになっていたのです。
           
        5. また、「ヨハネの黙示録」、「天文現象グランドクロス」との関係が指摘され
          恐怖の大王とはハルマゲドンの最終戦争のことであり
          ゆえに、「1999年8月18日(当時の日付)のグランドクロスの時に
          ハルマゲドンの最終戦争が起こる」という説が広まり、
          その最終戦争こそが核戦争ではないかと言われていました。
           
      3. そして「チェルノブイリ原発事故」
        1. ただ、そのままだったら、核戦争は恐怖の大王の候補の一つでしかありませんでした。
          「〜大予言」のなかにも、その他の説があり
          特に、恐怖の大王=核戦争であるとは限らなかったのです。
           
        2. ところが、「1999年7の月に核戦争」に真実味を与えた大事件があります。
        3. それが、「チェルノブイリ原発事故」。
          1986年に、ロシアのチェルノブイリで起きた原発事故です。
           
        4. 事故により放射能が漏れ、多数の人が犠牲になりました。
          と同時に、放射能汚染が広がり、付近の住人にも被害が出ました。
           
        5. 当時、原子力発電は核の平和利用だといわれていましたが、
          この事故をきっかけに(それと、スリーマイル島の原発事故もあわせて)、
          原発が安全なものというわけではないことが認識され、
          原発は核兵器と同様に、人類にとって危険なものだとして扱われるようになりました。
           
      4. 「チェルノブイリ原発事故」は予言されていた
        1. さて、予言解読者によると、それは「ヨハネの黙示録で予言されていた」そうです。
        2. 「〜黙示録」で
           第三の天使がラッパを吹くと、「苦よもぎ」という名の大きな星が川と水源に落ち、
           水の三分の一が「苦よもぎ」のように苦くなったので、多くの人が死んだ。
          という節があります。
        3. ここにでてくる「苦よもぎ」、ロシア語でまさに「チェルノブイリ」と言うそうです。
        4. ゆえにこの節は「チェルノブイリ原発事故」で人間が死んでゆくことを
          予言していたと言われています。
           
      5. 「恐怖の大王」=「核戦争」の推論
        1. 「〜黙示録」は、第三のラッパが鳴る時、核により人間が死ぬことを予言していました。
        2. そして、天使のラッパが鳴り終った後に「ハルマゲドンの最終戦争」が起こると
          予言しているのです。
        3. ゆえに、「ハルマゲドンの最終戦争」も、「核による人間の死」と考えることは可能であり、
        4. 「最終」であることから「核戦争」であろうと推論され、
        5. 従って、上の説明とあわせて「恐怖の大王」が「核戦争」であると考えられたのです。
           
        6. 「チェルノブイリ原発事故」により、「1999年7の月に核戦争」説が現実味を
          帯びたわけです。
           
      6. 人類の願い
        1. 「それを何とか回避したい、阻止したい」というのが、当時の人類の切なる願いでした。
        2. 「愚かな行為=核戦争」により、人類が滅んだりしませんように……
          それが、その当時の人類の願いでした。
           
        3. とくに、日本は、太平洋戦争で広島と長崎に原爆を落されていたので、
          核兵器には敏感で、
        4. 東西冷戦などの国同士の紛争の解決は、戦争ではなく話し合いで解決するべきだ
          という事が叫ばれていました。
        5. ペンは剣より強し……って、意味違うけど。(これは言論の自由。)
           
      7. 追加、南北問題
        1. 関係無いのですが、ここに書いておきます。
        2. 南北問題もこの頃クローズアップされました。(もっと前かも?)
          アジア、アフリカなどの貧困な国に、先進国が援助すべきだとか。
        3. 貴也の両親がボランティアで海外に行っているのは、ここらへんの関係だと思います。
        4. 「愛は地球を救う」とかいって、某テレビ局でキャンペーンをしてました。今でもしてます。
        5. 何でここにこれを書くかというと、フォルのメッセージを、
          「ペンは剣より強し」+「愛は地球を救う」
          →「愛は、武器や兵器などではありません でも、何よりも強い――」なのだと、
          その当時はずっと思っていたからです。……意味違うだろ?>自分
           
      8. その後
        1. 結局、1999年7の月には何も起こらなかった、ということになるんでしょうね。
        2. 核戦争は起こりそうがなかったですし。
        3. 核関係のネタでは、1999年8月18日に人工衛星カッシーニが
          地球でスイング・バイ(引力による加速)するって話がありました。
          カッシーニは原子炉を積んでいるそうで、
          スイング・バイの時に事故が起こって、放射性物質が降ってくる、
          というネタがあったのですが、スイング・バイは無事に成功し、
          惑星探査に飛んでいったそうです。
        4. もうひとつ……
          1999年「7の月」は原文では「sept mois」=「七 sept」+「月 mois」なんですが、
          フランス語(に限らず欧米の言語一般)では、9月が七番目の月なので、
          それが「9月 septembre」だと考えると、
          例のJCOの臨界事故が1999年9月30日に起きているので、
          予言は的中したのかもしれません。
          ……まあ、電脳天使的には無関係なので、放っておきましょう。(おい!)
           
    21. 以上をまとめると、
      1. 1999年7の月に「恐怖の大王」。
      2. →「大王=グラン・ロワ」なので、それは1999年8月18日?の天文現象「グランドクロス」。
      3. →グランドクロスの指し示す方向が、黙示録の四つの生き物に対応しているので
         「恐怖の大王」とは、黙示録の「ハルマゲドンの最終戦争」のこと。
      4. →そして、黙示録の予言通り「苦よもぎ」が落ちた。それは「チェルノブイリ原発事故」。
      5. →「苦よもぎ」が落ちるのは、最終戦争の前兆だ。
         ゆえに、黙示録の予言する最終戦争も、核による被害だろう。
      6. →核で人類が滅ぶとしたら、それは核戦争に違いない。
         世界情勢から見ても、それは恐らく核戦争に違いない。
      7. ゆえに、1999年7の月に「核戦争」。
         
    22. ということで、1999年7月に「〜黙示録」と「〜大予言」の通りに核戦争が起こり、
      人類が絶滅すると危惧されていました。
    23. 「予言詩」と「黙示録」と「核戦争」が一つに結びついたのは、これらの状況によるものです。
       
       
    24. ちなみに、「世紀末に核戦争」というのは、その当時はよく使われていたネタです。
    25. 「ヨハネの黙示録」はともかく、「世紀末に核戦争」というのは、結構有名なネタで、
      マンガやアニメでも、その手のネタで、いろいろと取り上げられていました。
    26. どのくらい有名かというと、
      「『世紀末』覇王伝説」と称して、「秘こう」をついて「お前はもう生き終っている」と
      決めゼリフを決める「北斗の拳」の世界が、
      実は、核戦争後の世界だったりする、そのくらいに有名なのです。
      (トキは白血病だったし……)
       
    27. ということで、当時の状況から考えて、
      「大予言」と「黙示録」が出てくれば「核戦争」がでてくるのは、
      それほど困難なつながりではないはずです。
       
    28. 私の場合も、「コミック版」で、
      アクエリュースが降りてきて「この地がハルマゲドンなのですか?」と言うと、
      天使達がそれに恐れをなす、というシーンを読んで、
      「ああ、核戦争ネタか」と気づいたのを覚えていますし。
       
       
    29. 「審判条件」の裏の意味
       
    30. ということで、核戦争のことを考えて、再度「審判条件」を考えてみます。
       
    31. 1999年7の月、最後の審判が行われ、
      人類がベスティアかベスティアではないかを審判する。
      人類がベスティアなら、
      フォルがアクエリュースによって地球を破壊し、人類を滅ぼす。
      (そうでなければ守る。)
       
    32. 当時の状況から、これは、
      「人類が愚かな存在ならば、核戦争によって人類は滅亡する。」
      ということを示しているのだろうと考えられます。
       
    33. こう考えることで、「審判条件」が
      決して「ベスティアが滅ぼされて、ベスティアではない人が生き残る」のではなく、
      「人類全てが滅ぶ」となっている理由を説明できます。
    34. 当時の核配備の量は人類を何度も滅亡させることができる量になっていたこと、
      ひとたび核ミサイルが発射されたら、東西両陣営の報復合戦によって、
      全ての核を発射されるので、
      無関係の人も含めて、人類全てが滅んでしまうこと、
      それを示していると考えられます。
       
    35. ゆえにアクエリュースの力とは、核兵器、あるいは核戦争の力を示唆していると考えられます。
    36. 天使達がアクエリュースの力を怖れていたのも、そういう事だからなのでしょう。
       
    37. また、「地球を破壊する」というのは、
      「核兵器が、人類だけでなく地球上の生物すべてを死滅させる」ことを
      示してしているのだと考えられます。
       
    38. さて、そうすると「ベスティア条件」も、その裏を読み取ることが出来ます。
      「ベスティア」とは東西両陣営のことだと考えられるので
      そう見ながらベスティア条件を考え直すと、
       
    39. 強欲 : 相手国を攻め滅ぼして、自分たちの陣営の勢力を伸ばしたいと思う。
      憎悪 : 相手国により自分たちが脅かされているのだと憎む。愛情を持って対話するが出来ない。
      懐疑 : 相手国が攻めてくるかもしれないと疑う。報復砲撃の準備をしてしまうほど疑う。
      暴力 : 相手国を滅ぼすために核兵器を使う/戦争をする。
      と解釈することが出来るでしょう。
       
    40. 『相手の国は、自分たちの反対の国だから、愛し合うことは出来ない。
      ゆえに相手の国を攻め滅ぼしたい、相手の国に攻め落とされたくない。
      そのために核兵器を使う。』
      それがベスティアだというわけです。
       
    41. さて、こう考えると、ベスティアリーダーのお役目もはっきりします。
      (ひょっとしたら、これはSS版の設定かもしれません(忘れてるし…)が、ここで説明してしまいます。)
       
    42. 「最後の審判の時、人類をベスティアに導き、天使達に『正しく』審理させること。」
       
    43. それは、「人類に核戦争を起こすように仕向けることで、
      人間が本当に愚かな存在かどうかを天使達に見定めさせる。」
      という意味として捉えることが出来ます。
       
    44. さて、ここでポイントは、ベスティアリーダー達はすべて、名前の中に「サブロマリン」を含んでおり、
      「サブロマリン」は「核爆発」を表していること。
    45. ゆえに、「ベスティアリーダーが人類をベスティアに導く」とは、
      「核爆発=核兵器の破壊力、殺傷能力が、人類を戦争に駆り立てる」
      「核兵器の破壊力を使えば、相手の国を滅ぼして自分たちが冷戦に勝利できる
      という気持ちをかき立てる」
      そういう意味に捉えることが出来ます。
       
       
    46. 以上のことを踏まえて、もう一度「最後の審判」の記述を考え直してみますと、
       
    47. 1999年7の月、
      ベスティアリーダーが、人類をベスティアに導いて、天使達に「正しく」人類を判断させる。
      天使達が、人類がベスティアかベスティアではないかを審判し、
      人類がベスティアなら、
      フォルがアクエリュースによって地球を破壊し、人類を滅ぼす。
      (そうでなければ守る。)
       
    48. というのは、言い換えると
       
    49. 1999年7の月の世紀末に、
      核兵器の破壊力が、人類(東西両陣営)を核戦争に駆り立てる。
      このとき、人類(東西両陣営)が、
      相手国を攻め滅ぼしたいと思い、
      愛情を持って接することが出来ず、
      攻められるかもしれないと疑い、
      そのために戦争を起こしてしまう、愚かな存在なら
      核兵器による報復戦争で人類は滅び、地球上の生物は死滅する。
      (そうでなければ生き残る)
       
    50. と、見ることが出来るわけです。
    51. これこそが、「予言詩」でもない、「黙示録」でもない、「核戦争」からの「審判条件」なのです。
       
    52. ということで
      電脳天使の「最後の審判による人類滅亡」とは、
      「核兵器での報復戦争による人類滅亡」である

      そう言えるわけです。
       
       
    53. 核兵器関連で説明出来ること
       
    54. 以上を考えて、物語を振り返ると、上手く解釈できるところがいくつがあります。
       
    55. 天使とベスティアリーダーは<対>
      1. 設定の中に、天使とベスティアリーダーが<対>で生まれている、という説明がありますが、
        それも説明できます/できるのでは?
      2. 人類が、扇動されて、本当に核戦争や報復戦争を起こしてしまうほど愚かなのか、
        それとも、そのような扇動に心を動かすことなく、核戦争を回避できるか
        それを審理するのが最後の審判であるわけですから、
        ベスティアリーダーは、人類を扇動して、人類の本性を暴くのが役目
        そして、それを判断して実際に滅ぼすのが(第三)天使のお役目
        なわけで、だから<対>だというわけです。……だと思います……
      3. 天使もベスティアリーダーも、あくまでも人類を裁くためにいるわけです。
         
      4. PC&PCE版でも、SS版でも、ミリが天使達に戦いを挑んでいます。
        ミリは事情を知らないので、人類を滅ぼす第三天使を
        人類の敵だと思い込んでいるわけですが、
      5. ですが、天使はベスティアリーダーの敵ではないのです。
        だから、メルはそれを止めているわけですね。
         
    56. アクエリュースの力の暴走=報復による人類滅亡
      1. フォル2との戦いの時、
        ミリが「この国とアタシたちが滅んでも、天使たちを全滅できれば、
        ベスティア・リーダーの勝ちなのさ!」と言って、
        アクエリュースで攻撃しようとしたら、
        アクエリュースは地球すべてを崩壊してしまいました。
      2. ですが、これ、おかしいですよね。
        ミリが地球を破壊しようとするはずがありません。
        自分の守るべき人類を滅ぼしてしまったことになるから。
      3. ということは、アクエリュースの力が暴走した又はフォル2が暴走した、と考えられるのですが、
      4. それも、アクエリュースの力が核戦争の力だと考えると上手く説明できます。
      5. 一つの国を破壊するために、一発の核ミサイルが発射されただけで、
        報復合戦により結局は人類が破滅する、ということを表してるのでしょう。
         
    57. 最終兵器は原爆
      1. KGF HP最終更新時に掲載された「ラジオドラマ デジタルアンジュSS第2話 シナリオ版」で
        超未来の宇宙戦争に最終兵器が使われていますが、それが原爆だそうです。
        そのまんまですね。
      2. 人類が宇宙を「汚染」する、という表現がありますが
        それも、「放射能汚染」の「汚染」に引っかけて表現している、はず。
        そうじゃなきゃ、ふつう「汚染」とは言わないし。
         
         
    58. 決定的証拠−「ICBM」と「ペンデ」
       
    59. さて、この核戦争ネタ、正しいかどうか結構怪しいと思われるかもしれません。
      かく言う私も、少し前までは、あまり自信がなかったのですが。
       
    60. ですが、決定的な証拠を見つけました。
      それが「デジタルアンジュSS」のバッドエンドに出てくる、「ミサイル」と「人工衛星」。
       
    61. KGFホームページの「デジタルアンジュ分解新書」によると、
      ミサイルは「大陸間弾道ミサイル(ICBM)」、
      人工衛星は「ペンデ」という名前なのだそうです。
       
    62. 「ICBM」は、核弾頭を積んで発射するためのものなので、
      これは間違いなく核兵器を表しています。
       
    63. そして、KGF掲示板によると、「ペンデ」は「IV−テセラ−」に出てくるそうなので、
      「IV−テセラ−」、プレイしました…
       
    64. 「project I〜IV〜VIII」の真相を知って……
       
    65. ……………………そのまんまやないかぁ!
       
    66. 「IV−テセラ−」には、例の多重人格ネタ、瞳の色の変化など、
      「デジタルアンジュSS」の元ネタがあるのですが、最大の元ネタがこれ。
       
    67. 上の「東西冷戦」の説明で、東西両陣営の報復合戦によって人類が滅ぶ、と書きましたが
      その報復の「具体的方法」が「IV−テセラ−」で描かれています。
      それが「project I〜IV〜VIII」であり、そのキーとなるの存在が「テセラ」ってことですね。
      で、それに利用されるのが「人工衛星ペンデ」だというわけです。
       
    68. まだ「IV−テセラ−」をプレイされていない人は、ペンデにレールガンの掃射でも受けてください。
       
    69. というわけで、「ICBM」=「核兵器」、「ペンデ」=「報復戦争」であるわけで、
      その二つが「デジタルアンジュSS」のバッドエンド=最後の審判に出てくるわけですから、
      「最後の審判」が「核兵器による報復戦争」であるということが示されていることになります。
       
    70. 知らんかった……
       
    71. SS版発売から3年近く(PC版からだと7年近く)も経って、
      ようやく決定的証拠を見つけるとは……難解過ぎる……
      まあ、それが電脳天使の奥の深さなのでしょうね。
       
       
       
       
  6. まとめ
     
    1. という訳で、まとめると
    2. 「ノストラダムスの大予言」と「ヨハネの黙示録」をつなげるのが「天文現象グランドクロス」
      「ヨハネの黙示録」と「東西連戦による核戦争の危機」をつなげるのが「チェルノブイリ原発事故」
      これが三大出典の相関性であり、
    3. その三つが重なり合って生まれたのが、電脳天使の基本設定だという訳です。
    4. 以上。
       
    5. 他に説明していない設定については、第2章以降で説明します/できたらいいな。

 


 

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